<イタリアの師走?>

もちろんここイタリアに師走という言葉も  
それに該当する言い回しもないのですが、
街の雰囲気はまさしくそれです。
 

しかも、日本の場合ターゲットは
元旦もしくは大晦日ですよね。
今年のことは年内に片付けて、
すがすがしい気持ちで元旦を迎えたい。
 

こちらのはすこーし違います。
年が変わる、新しい年がやってくるという期待はあっても先に来るクリスマスのほうがやっぱり待ち遠しいみたい。
 

町が忙しそうな人たちであふれかえるのは、
みんなクリスマスプレゼントを買いに行くからです。
 

そういえば日本にもお歳暮なんていう習慣がありますが、このクリスマスプレゼント、  
場合によってはそのお歳暮にも当てはまりそうです。
 

家族や友達間でのプレゼントはまさしくプレゼントですが、結構仕事の取引関係の間でも取り交わされますから。 

あるいは買い物をしたお店なり、行きつけのガソリンスタンドなりがこの時期ちょっとした粗品を手渡してくれます。

多いのは来年のカレンダー。
そして小さなパネットーネやなんか。
 

(パネットーネに関してはまた日を改めて。) 

 

また、郵便配達の方やごみ集めをしてくれる人たちにも
タイミングよくこの時期に出会うとちょっとした品やお小遣いを渡します。

「この一年間ありがとう。楽しいクリスマスを迎えてください。」という気持ちを込めて。

 

TVのニュースでも毎年飽きもせずクリスマスのプレゼントを  
今年はどうするのか
? いくらの予算なのか? 誰に送るのか? なんて繰り返しています。 

そして答えは毎年のように、

「高くてあんまり買えないけど、やっぱり子供たちにはねぇ。」

「私たちの小さかったころはこんな贅沢なおもちゃはなくて…」  
     

子供たちは無邪気に「バッボナターレ(サンタクロースのこと)に 手紙を送ったからきっと持ってきてくれると思よ。」  

商店街はもとより一般の家庭でも12月8日のIMMACOLATA CONCEZIONE  
(マリア様の無原罪のお宿り)の日からベランダや玄関先に色とりどりのイルミネーションをつけ、
家の中には大きなクリスマスツリーか、
プレセーぺと呼ばれる伝統的な飾り付けを施します。
 

一年の行事の中で一番大切なナターレ(クリスマス)を  
より思い出深い日にするために皆が趣向を凝らします。

なぜ一番大事な日かは言わずともお分かりだと思いますが、 キリスト教徒たちにとって、その  
キリスト様がお生まれになった日なのですから。
  

このプレセーピオというのは、ラテン語の
praesepium
(馬草小屋の意)から来ており、
キリスト様がお生まれになったときの様子を表現するもので、馬草小屋に聖家族:マリア様とジュゼッペと、
生まれたばかりのキリスト様。
   

そしてその誕生をお祝いに駆けつけた農夫や家畜たちや  
東方の三博士。などのお人形を飾ります。

細かい話で恐縮ですが、キリスト様のお人形だけは
24日の夜まで 飾らずにとっておき、その日、
お生まれになった日に始めてお披露目をします。

そして東方の三博士も1月6日に置くのが正式のようです。

これも年が明けたら改めてご紹介しますが、1月6日は御公現祭と呼ばれる  
クリスマスに勝るとも劣らない重要なお祭りです。
 

総本山のサンピエトロ寺院前の大きな広場には
身の丈2m半という大きなお人形を使ったプレセーピオと
北欧の国々から送られてくる20m以上もある大きなクリスマスツリーが並びます。

 

           <<<管理人:恵子>>>   

 

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