お肉屋さん=Macellaio(マチェライオ)

 

日本にはまだ公設市場が存在するのでしょうか?

こちらではメルカートと呼ばれ、まだ存在しています。

主に町の中心部はこのメルカート。

周辺の新興住宅地や内のような田舎には
スーパーマーケットが多いです。

 

 

 

 

 

トスカーナで有名な詩人のお肉屋さん

 

それは立地条件によるもので、
町の中心部は古い町並みなので道路も狭く、
広い駐車場を確保できないし
商品を搬入するにも交通規制があるので
なかなか大変なようです。

さて今日はそのメルカートの中でも私がイタリアに
住み始めた頃に一番戸惑った
お肉屋さんの話をします。

なぜ戸惑ったか?

日本ではなんとなくお肉を見ているうちに
このお肉はこうして料理したらおいしいのじゃないかしらとか、
いつもの薄切りを買っておけば何かできるかなくらいな感覚で
お肉を買い求めますが、
こちらでははっきりとどういう風に料理したいか
前もって決めておかなくてはならないのです。

スーパーマーケットではすでにいろいろな厚みや
大きさに切ってお肉がパックの中に入っていますが、
普通のお肉屋さんに行くといくつかの大きな肉の塊が
ごろんごろんとショーウインドウに並んでいるのです。

 

そこで、「今日はシチュウーを作るので、シチュー用のお肉を
メッゾキロ(1/2kg)ください。」とか、
「ビーフステーキをふた切れください。
などといってその場で切ってもらうのです。


なんとなくあるお肉の塊を指差して
「それを200gください。」なんていったらすぐに
「どんな料理を作るの?」と逆に質問されてしまい
今ならいろいろと説明したり、さらっと交わせますが、
言葉が不自由な頃にはずいぶん困りました。

つまりその料理に一番ふさわしいお肉を選んでくれるのです。

今『薄切り』と言いましたが、
数年前まではこの薄切り肉がなかったのです。

日本では私が小さい頃から紙のように薄いお肉がありましたし、
冷凍状態または半解凍状態のものを器械で切れば
きれいな薄切り肉になることも知っていましたが、
こちらのお肉屋さんにはその器械がないのです。

お肉屋さんには大きな包丁がたくさん並んでいて
薄切りを頼んでも包丁で切るのですが、
やはり包丁で切る分には限界がありますよね。

中には器械を持っているのに使わずに、包丁でどれだけ薄く
切れるか自慢したいお肉屋さんもいて困りました。

 

最近はCarpaccio(カルパッチョ)と言う料理を食べる人が
増えてきたので超薄切り肉が手に入るようになりました。

薄切りの生肉の上にパルメザンチーズを薄くそいだものをのせ、
ルゲッタ(ローマ以外ではルーコラと呼ぶ)という少し苦味のある
春菊のような野菜をのせて塩、こしょう、オリーブオイルと
レモンで味を調えていただきます。

私はわさびしょうゆで牛刺しとして食べますが・・・

またはブレザオラという牛肉でできた生ハムをつかって
同じようにして頂きます。

今や食生活が豊かになり、飽食の時代になりましたが
かつては毎日お肉を食べていたわけではありません。

そこでお肉屋さんのお店には高いタイル張りのきれいな
カウンターがあって、威厳を誇っていたようです。

また、普通の食料品やさんはローマの場合、
日曜日の丸1日と木曜日の午後がお休みですが、
お肉屋さんは月曜日もお休みのところが多いです。

なぜなら腸詰ウインナーを作ったり、大きなお肉をさばいたり
しなければならないからです。

最近はただお肉を売っているだけではだめで、
多くのお肉屋さんが、ハンバーグを下ごしらえしたり、
ロールまきを作ったり、一工夫しているところが多いです。

私がお肉屋さんで一番すきなのは実はミンチです。
スーパーで買ったミンチはすぐに傷んでしまうのに
お肉屋さんで作ってもらうととっても新鮮で、何より目の前の
お肉がミンチになるのですから安心です。


            Keiko

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  Homeへ戻るボタン 雑感Topへボタン