-Edicola(エディーコラ)=新聞・雑誌売り場-

 

辞書にはedicolaを売店とかキオスクとか訳している場合が多いが、
どうも今ひとつぴったりではないように思い、あえて新聞・雑誌売り場と書かせていただいた。

観光地のedicolaだとプラス絵葉書や市内の地図、カレンダーなどをおいているところもあるが、
ほとんどのedicolaは、新聞と雑誌、そして地下鉄やバスの切符と、路上駐車場のチケットを売っているだけだ。
逆にBar(立ち飲み喫茶)やタバコ屋さんに新聞・雑誌コーナーを設けているところもあるが・・・。

新聞は日本の場合、家に配達してくれるが、こちらにはそういうサーヴィスがないことはないらしいが、
そうしてとっている人にめぐり合ったことは無い。

たいていは通勤途中、地下鉄のキオスクで買ったり、
車で信号待ちをしているときに売りに来るものを買い求める。
また、年配の方たちや子供たちも自分が読みたい新聞・雑誌を近くのedicolaへ買いに行く。

昔、イタリアには本屋さんが少ないという記事を読んだことがあるが、
きっと日本のような大型の本屋さんを見かけないからそう思ったのだろうと思う。

学習書や辞書のみを扱う本屋さんと新刊本・ハードカバーを扱う本屋さんが全く別々で、
日本ならそこに地図だの楽譜だのポスターだのと一括して
一軒の本屋さんで見つけられそうなものがみんなばらばらに売られている。

当然お店もごく小さいものが多い。だから本屋さんが目に付きにくいのだと思う。

最近の子供や若者たちはヴィジュアルなものへ関心が移っているから
本屋さんもこれまでのようにははやらなくなったようで、
大げさに思われるかもしれないが、
数年前、ローマのナツィオナーレ通りというとおりにある本屋さんへ息子を連れて入ったら
「なんと子供が入ってきた!」と大声でいわれてびっくりしたことがある。

とにかくそういうことで、新聞・雑誌は本屋さんではなくedicolaで買うのである。
そのedicolaを介して、いや雑誌を介してというべきか実にさまざまなものが売られている。

大手の新聞やさんや出版社が競争で企画を立て、
百科事典のCD版や、オペラやジャズのCD, また美術・歴史の参考書というか
かなり分厚いハードカバーの美術集などを
週に1度か2週間に1度の配信期間で手軽な値段で提供してくれる。

たとえば、ツーリングクラブというところが出しているイタリア中のガイドブック、
赤い表紙で有名な信頼の高いガイドブックで各州やローマやフィレンツェなどの
主な都市毎に発行されているものだが、10年前に『ROMA』というのを7,8万リラで買ったものを
今回の企画では12,5エウロ、(リラに換算して約24000リラ)で買い求めた。

10年間の物価の上昇や、
また今回のほうがガイドブックそのものがより分厚くなっている分を計算に入れると
うそのような値段である。
普段は各新聞社のオリジナルの企画が多いので、市場価格と比較したことが無かったが、
今回は昔の値段を覚えていたので、とっても得をした気分。

けれど、こういういい企画の時には朝早くに売切れてしまうことがあるので、
近くのedicolaに前金を払ってとっておいてもらうことにした。
顔なじみになるとこういう便宜を図ってくれる。

今日はそのほかに昔懐かしいブリキのおもちゃシリーズの第1回配本と、
リモコンで動くヘリコプターを組み立てる分のやはり第1回分を買った。

ただ、ヘリコプターは1回ごとにいくつかの部品が配本されるので、
気をつけていないと完成できない。
忘れっぽい私は気が気ではないので、こういう企画はできるだけ避けたいのだが、
今回は父親が言い出したので仕方がない。

初回はいつもとっても安い値段をつけていて、2回目からは2倍から5倍くらいになることがある。
でも、組み立てものだと続けないわけには行かないし、
収集ものもできれば全部そろえたい。消費者の心理をうまくつかんだ商法だ。

まぁ買う側にとっても、一度に出て行くのがそこそこの金額なので
知らないうちに全集がそろって悪い気はしない。

収集ものには実にいろんなものがあり、いくつか覚えているものだけでも

「ミニチュアの家具」、「クラシック時計」、「磁器のお人形」、
「腕時計」、「クリスマス用の飾りプレセーペ用のお人形」、「世界の切手集」
「日本の食器」、「台所用品」、「世界のTAXI」、「世界選手権優勝のバイク」、などの飾り物。

また、「クラシック音楽全集」、「イタリアの美術をテーマごとに分けた美術全集」
「彫刻家全集」などは、各本が200〜300ページ全部カラー写真入りというような豪華なものだ。

こういう特別企画ではなくても
女性用週刊誌には口紅や香水が、子供用の漫画にも小さなおもちゃがついていて、
いらなくてもパックされてしまっている。
捨てるのはもったいない気がするけれど、どう見ても役に立ちそうもないものがほとんどだ。

とにかく、購買者が多いので時にすばらしい企画が成り立つのだと思う。
最近のedicolaは建物自体が見た目にもかわいらしいものが多く、街角のアクセントになっている。                    

                              Keiko

                         

                       

後記、今年になってはじめての雨。晴耕雨読よろしく晴耕雨パソコン。
    ブドウ畑の掃除を始めたので、このところ何も書けずにおりました。(1月19日)

 

Homeへ戻るボタン 雑感Topへボタン