ワインの栓について

 


数年前からワインの栓にプラスチックのものがお目見えしました。

化学繊維やプラスチックのものが嫌いな私には寂しい出来事です。

なによりも雰囲気が違いますよね。

ワインの栓はやっぱりコルクでなくちゃぁ。

でもきっとコストの違いなんでしょうねぇ。

こちらでは少し安いワインにプラスチックの栓が使われていることが多いです。

もっと安物になるとねじの栓になります。

つまりボトル自体違ってくるのです。

さらに安いと紙パックになり、やはりねじの栓がついています。

 

ところが、ワインの品質を保つには実はこのねじ式の栓が一番いいのだそうです。

次にプラスチック。

ただ使われ始めてからの年数が短いので、この先問題が出てくるかもしれないということです。

コルクは自然な素材だけに、品質が一定していないので、

時としてワインに変なにおいがついてしまうことがあります。

「Sa di Tappo.」とイタリアでは言いまして、つまり「栓の味がする」と訳しましょうか。

レストランなどでそういうワインに出くわすと、もちろん取り替えてくれますが、

自分で買ってきたものは泣き寝入りです。

まぁ、少々のことなら飲みますけれど。(笑)

どうしても我慢できないものも中にはあります。

 

そうしてコルク栓の場合は途中で千切れてしまったり、

ワインオープナーをあまり深く差し込まないように用心してあけないと

コルクのくずがワインの中におちてしまいます。

 

こうして書いてみると、コルクの栓にはいいところがないような感じですが、

ギリシャの昔から長年使われてきたものだけに、人々の持つ印象としては

ワインにはコルクの栓がないといけない と焼きついているように思います。

さらにその周りを鉛をごくごく薄く延ばしたもので覆ってあると信頼度が増します。

その鉛も最近ではプラスチックが多くなり、よほどいいワインでないと使われなくなったように思います。

 

嗜好品なので、そういうステイタスシンボルも重要ですね。

ただ、毎日飲むワイン、料理に使うワインではそうそう贅沢も言っておられず

3回に1回はプラスチックの栓にお目にかかっている今日この頃です。

なんと先日はグラッパの栓にもプラスチックの栓を発見しました。

しかも空けようとしたら丸ごと下に落ちてしまいました。

もしもワインのように寝かせておいたら液漏れしていた可能性があります。

(プラスチックでは密着性がコルクより劣るのかもしれません。)

 

プラスチックは硬いので、ワインオープナーの先端がなかなか突き刺さらないのです。

しかもいったん刺さると、今度はあけた後に取り外そうと思っても

簡単にはいかず、家の男達に頼んでとってもらいます。

 

時として早とちりのイギリス人が、「コルクを多用すると自然の破壊につながる」

というようなことを言ったらしいのですが、

コルクは木を伐採するのではなく、その樹皮を使うのです。

樹皮はまたゆっくりと再生され10年ほどすれば再度採取できるようになるそうです。

なんだか羊毛と似ていますね。

ですから、自然破壊という心配はないと念のためお伝えしておきます。

 

イタリアではサルディニアという島で、このコルクがたくさん作られています。

これまで何世紀にもわたって使われてきたものを、これからも大切に使って生きたいですね。

コルクにはなんともいえない温かみがあって手に触れると気持ちがいいです。

いろいろな製品がありますが、我が家では寝室のたんすの扉を薄いコルクシートで覆いました。

義妹の提案ですが、とってもいい雰囲気になりました。

 

たくさんたまったワインの栓を薄く切って

庭のバラたちの根元のマルチングに使おうかと思ったのですが、

包丁で薄く切るのが面倒でやめました。(笑)

でも、切らずにそのまま植木鉢の底に敷いてみました。

きっと最適だろうと半ば確信しています。^^

                         Keiko

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