* イタリアからボンジョルノ! 2013年 No.06*

小さな出会い

 


 

2月のある日、Paoloと息子は所用でペルージアへ行きました。

そこで1泊した後、帰りに少し寄り道をして、

チヴィタ・ディ・バーニョレージョ(Cvita di Bagnoregio)というところへ行きました。

 

ここは、ヴィテルボ県バーニョレージョに属するフラツィオーネ

フラツィオーネというのは

その市の中心から少し離れたところにある小さな村といったところでしょうか。

 

ここはエトルリア人によって建設された街で、その歴史は紀元前にさかのぼります。

が、この辺りは火山地帯で、何度か大地震に見舞われたことや、

この辺りの地形はTufoつまり凝灰岩で出来ており、

細工しやすい代わりに脆いという特徴があります。

そこで、長年風雨に晒されてどんどんと町の周囲が御崩れ落ちてしまったので、

まるで天空に町が浮き上がったようになってしまったのです。

 

Civita

高い山の上の街はイタリアにはたくさんありますが、

1764年に起きた大地震により、チヴィタとバーニョレッジョをつないでいた唯一の道が崩壊。

よって、まるでグランデ・キャニオンの中の大きな岩山の上に街があるような状態で、

今や、300m余りの細い橋が唯一この街への導入路となっているのです。

 

町の入口には「死にゆく町(La citta che muore」

などとシニカルに書かれているそうです。

 

1925年には650人いた人口も今ではやっと20人を数えるか否かになってしまいました。

でも、昨今ここが観光地として脚光を浴び、少しずつ町の修復もほこされ、

新たに移り住むひともいるそうです。

でも、テーマパークのようにならないように祈りたいです。^^

 

とにかく、そこへ私もやっとこの4月の末に行く予定なのですが、

一足先に行ってきた我が家族、

なんとそこで、一人旅の日本人青年と出会ったそうで、

少し日本語を話すPaoloが、「写真を撮りましょうか?」と声をかけたら

驚きながらも素直に撮らせてくれたと帰宅した家族が話しをしていました。

 

そして数日後、日本に帰国なさったその方から

我が掲示板にお礼の書き込みがありました。

 

こういう出会は初めてではないのですが、たいていはメールで連絡をくださいます。

でも、この方はさすがに一人でヨーロッパを回る方、

あるいはお若いからでしょうか?

掲示板を使ってくださったので、私の友人たちからも歓迎の返信があり、

インターネットの素晴らしさを痛感したものでした。

 

私の若いころならその方から御礼の手紙が来たとして、

その間に数週間はあっという間にたってしまったでしょうし、

その手紙に私が返信を書いたかどうかも疑問ですが、

もし書いたとしてもさらに数ヶ月という時が経っていたことでしょう。

もちろんそういうやり取りも奥ゆかしくて大好きですが、

今回のように、同じ趣味や目的をもつ方たちが

即座に返事することなどできないことですし、

数人の方たちがまるでその場にいるかのように

感想を述べ合うなど思いもよらなかったことです。

 

決して私はWindowsやGoogleの回し者ではありませんが、

少し前にもインターネットの良さを書いたばかりですが、

またもやこういう体験をして、その感をより深めました。

 

もちろん、今回は

その日本人青年の心根の素晴らしさを紹介したかったのが一番の目的です。

 

Paoloはいつでも、困った日本人や一人っきりの方には「何を探しているの?」

もしくは「何かお手伝いしましょうか?」などと声をかけます。

でも、時としてその方々はPaoloを変なイタリア人、

何か下心のある悪い人だと思って足早に行ってしまったり

何もこたえずに知らん顔をする人もいるようで、

何度か傷ついて帰って来たことがあります。(笑)

 

確かに、何か下心があったり、騙そうとする人もいるのでしょうが、

はなっからそういう先入観を持っていると素敵な出会いも得られないと思います。

日本にだって良くない人はいるのだし、そういう人に出会った時の感を

外国でもフルに活用して、自分の目と頭でしっかりと見極めて

少しでもたくさんの楽しい思い出を作って帰っていただきたいと、

かつてガイド時代に言っていたことを久しぶりに思い出したのでした。

 

蛇足になりますが、

そうかと思うと逆に日本ではしないような危なっかしいことをする方もたくさんいます。

日本でなら入って行かないような胡散臭い小径へ入って行ったり、

日本でなら外出しないような時間帯に出歩いたり、

挑発的な服装や話し方(笑い方?)をしたり・・・・

 

私は時々「しらないかたにこえをかけないように。」と話していました。(笑)

 

何事も自分で責任をとれる自覚のある方は意味のない冒険はしないものですし、

万が一の時にも他人のせいにはしないものですよね。

今、世界中が日本人に興味を持っています。

 

一人でも多くの日本人が世界の各地でいいお手本を見せ、

日本への尊敬がさらに深まることを願います。

 

最後に、その青年が書いてくださった言葉を引用させて頂きます。

 

--日本でイタリアの方を見かけたら、

自分も優しくしてあげようと思わされた旅になりました。--

 

なんと嬉しい言葉でしょうか。

 

19/03/2013 Keiko


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