* イタリアからボンジョルノ! 2013年 No.02* 前代未聞の出来事
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今日2月11日、奇しくもラテラーノ協定が締結された日、 現教皇、ベネデット(ベネディクト)16世が衝撃的な発表をしました。 2月28日で、教皇の座を退位なさるというものです。
おそらく世界中のカトリックの信者はもとより、 殆どの人は教皇の位というのは終身のものと思っていたと思います。 それが前教皇ジョヴァンニ・パオロ(ヨハネ・パウロ)2世の末期に 年齢や、健康面で職務を遂行できないときには退位できるという法案が通っていたそうです。 ジョヴァンニ・パオロ2世は後年、健康的には恵まれず見ていても痛々しいようなお姿で いろいろな式典に出席なさっておられました。 そのころ、ジョヴァンニ・パオロ2世の後ろ盾となっていたのが 現教皇ラッツィンガー(イタリアでは教皇名と同じくらいこの本名で彼を呼んでいます。) だったのです。 晩年のジョヴァンニ・パオロ2世はラッツィンガーの傀儡だったと言われています。 それでもジョヴァンニ・パオロ2世は世界中の人々に愛された教皇でした。 その後を継いで、色々と風当たりが強かったことと思われます。 ジョヴァンニ・パオロ2世のイメージを払拭するかのように 白いシンプルな衣装が主だったのを、昔ながらの赤いくつや やはり赤い大きな枢機卿の帽子などを身にまとい、テアトラーレ つまり劇的な演出をいつも綿密にしているように見えました。
ドイツ人であるラッツィンガーは戦時中に「ヒトラー青少年団」に参加していたことや (当時、ドイツに生きるものとしては仕方がなかったと思われますが) 実兄の教区で少年・少女に対する性的な虐待事件があったことなどで 何かと批判を受けておられました。 また、ヴァティカン美術館の入場料などが一気に値上がりしたり、 サン・ピエトロ寺院への参拝の仕方なども以前に比べるととても窮屈になったり なんだか、大昔1300年代の日のボニファッチョ(ボニファウス)8世を思わせるような 商才に長けたというイメージがつきまとっていたものでした。 だから最後まで教皇の位に執着なさるかとおもいきや・・・
とにかく、この報道を初めて聞いた時に私にはすぐに チェレスティーノ5世のことが頭に浮かびました。 13世紀にシンプルな修道僧だったチェレスティーノ(セレスティヌス)5世が 名うての枢機卿たちの手によって教皇に選出され、 (コンクラーベでは闇取引は出来ないと言われていますが・・・) 教皇の座については見たものの、自分には向かないからと辞退し、 これが教皇庁への反乱扱いにされ、囚われの身になって 畳一畳分ほどの狭い牢獄で晩年を過ごし、最後には暗殺されたといわれる 気の毒な教皇。 もしも、当時から退位できるという決まりがあったら 彼はしあわせな祈りの生活で晩年を過ごしたことでしょうに。
さて、次の教皇候補はもうほぼ決まっているのかな? 我々には知る由もありませんが、3月には新しい教皇が誕生するということになりそうです。
そうそう。退位された現教皇はお住まいをカステル・ガンドルフォに移されるということですが、 あそこはいままでは教皇の夏のお住まいになっていたので、 今年の夏はどうなさるのかしら? 仲良く一緒に過ごされるのか? 歴代の教皇は自分のためにヴァティカン宮殿の居住区を いつも真新しく作りなおさせていらしたくらいだから譲りあうというのは想像できないなぁ。 なんて野次馬根性で成り行きを見ております。
11/02/2013 Keiko ご意見ご感想はこのメルマガへの返信でどうぞ。 または掲示板をお使いください
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