Feste Italiane タイトル イタリアの祝祭日


<<<Vigilia クリスマスイヴ>>>
 
写真はプレセーペと呼ばれる
イタリアのクリスマスの飾りです

 

今や、なんだかんだといいながらもすっかり贅沢になったイタリアですが、

昔、もっと貧しかった時代のほうがこの大切な日

<クリスマス>を本当に大切に考え、感じ取っていたのかもしれません。

最近は外のレストランで食事をする人たちも増えてきたということですが、

昔はほとんどみんなクリスマスは家族で過ごしたそうです。

大体普段から家族の結束が強く、

特にお母さんMAMMA(マンマ)が大好きで

仕事を探すのにもマンマの料理が食べられる範囲で、

フィアンセができても夕食は家族と一緒に食べてから外に出かける。

そんなイタリアなのですが、やっぱりさまざまな理由で

遠く離れて暮らしている人たちもこの日クリスマスには

マンマの下に集まります。

そして、海辺の町以外は普段余りお魚を食べない人達も、

vigilia(ヴィジリアと読み、クリスマスイブのことです)

ばかりは魚類しか食べてはいけないというので、

マンマが腕によりをかけてお魚を調理します。

で、普段より少しリッチな夕食が終わると

家族そろって暖炉を囲み、

おじいさんやお父さんの話に聞き入ったそうです。

 

 

 

 

 

ここで、クリスマスに語られる話の仲でも有名な

[ ルーチョとその妻 ]の物語をご紹介しましょう。
(原作:オー・ヘンリー「賢者の贈り物」)

 

 

彼らは決して豊かではないけれど、それぞれが宝物を持っていました。

ルーチョの宝物は父親から譲り受けた金の時計です。

妻はとても美しい長い髪を持っていました。

Vigiliaの夜には、お互いにどうにかしてすばらしいプレゼントを

贈りたいと考えます。

妻はルーチョに「あのすばらしい金時計に鎖がついていたら

もっと見栄えがするし、何より便利でしょう。

私のこの髪の毛を売って金の鎖を買いましょう。」と考え、

見事な髪の毛をばっさり。

ルーチョのほうは、「妻のあのすばらしい髪に見合う髪飾りを贈りたい。

よし、この時計を売って髪飾りを買うことにしよう。」と

金時計を売ってしまいます。

さてVigiliaの夜、夕食の後に贈り物を交換します。

ルーチョはすばらしい金の鎖を前にして言葉もありません。

妻も美しい髪飾りを手に一瞬のためらいの後、髪に巻いたスカーフを取ります。

そしてお互いに判ったのです。

もはやそれぞれの贈り物が何の役にも立たないことを。

ただ、二人の心はかけがえのないものを得た気持ちで満たされていました。
        

そう、何よりも大切なのは相手を思う気持ち。

かつてクリスマスの夜は、そんなことを誰もが考える夜でした。

Keiko

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