Romeの中心街

 

年の瀬も押し詰まった12月30日に、私のメルマガを初期の頃からとってくださっている方が、
日本から息子さんとお嬢さんを伴ってイタリア旅行にこられました。

ローマから入ってミラノへ抜けるパターンです。
これまでにもメールのやり取りがありましたが、顔はお互い写真で知っているだけ。
そういう方と何とスペイン広場で待ち合わせをしました。

あちらはグループでの行動で、ちょうどスペイン広場で少し自由時間があるとこことで、
そこで落ち合うことにしたのですが、
グループ旅行では予定が前後するのは私もかつてご案内していたのでよくわかっています。

そこで4時の約束を、20分前からスペイン階段で待っていました。
次から次へ日本のグループが来るごとにガイドさんや添乗員さんにうかがって・・・

やっとめぐり合い、いざ「カフェ・グレコ」へ !

なんと言ってもこのあたりでは一番有名なカフェです。
かのゲーテを初め多くの著名人が愛したカフェ。
(ここだけの話ですがこのあたりには長い間このカフェしかなかったのです。)

有名なお店がおいしいかといえば、いろいろですね。
個人的には気取ったこの店の奥座敷はあまり好きではありません。
立ち飲みコーナーは地元の人でいつもあふれかえっていて
それなりの賑わいがあり、コーヒー一杯が1エウロぐらいだからいいのですが、
奥座敷は時間に余裕のあるときでないとずいぶん待たされるし、
トイレに行くにも小銭が必要だし、ウエイターがあまりに気位が高くて好きではありません。

でも話題性ということではこのあたりでここをしのぐところがありませんから
その日も一応入ってみました。
ところが幸か不幸か満席で、店内をぐるっと回っただけで出てきました。

そこを出るときにはわたしの頭の中に次なる目的地がすでにインプットされていました。
それは、コルソ通りにあるグランドプラザホテルです。

コルソ通りというのはローマの中心ヴェネツィア広場から
ポポロ広場というところまで1,5kmまっすぐの道路が伸びていて、
昔はカーニバルにその通りを裸馬が疾走したという通りです。

ローマの中心で、両脇にはブティックを初めさまざまなお店が立ち並び、
いつも多くの人出でにぎわっています。

かなり前から許可のある車しか乗り入れできないゾーンで、観光バスも除外されているので、
このプラザホテルもかつては日本人グループがよく泊まっていたのですが、
今はあまり使わなくなったようです。

ホテルの回転ドアを潜り抜けると外の喧騒がうそのように静かな空間です。
確か18世紀の建物だったと記憶しています。
そこのサロンは天井の高さがゆうに5〜6mはあり、ステンドグラスに覆われた見事なものです。
かつては政界の要人がよくこのサロンで休息したり打ち合わせをしていたものです。

この美しい建物は映画にも登場していますし、
ファッション雑誌にもホテルのそこここが映し出されています。
こんな素晴らしいところを見過ごす手はありません。
ホテルには喫茶室があるのですからそこでお茶を飲もうと思ったわけです。

案の定、友人親子もここの美しさ、偉大さに感激してくれました。
さて、サロンの一角でお茶を飲もうと通りかかったボーイさんにその旨を告げると、
なんと「ここではお茶は飲めない、喫茶室へ行ってください。」とのこと。

いつからそうなったんだろう。
長いこと来てはいないけれど、どこのホテルでもたいていサロンにお茶を運んでくれるのに・・・
少し食い下がったけれどさっさとボーイさんが行ってしまったので仕方なく喫茶室へ。

もちろんこの喫茶室だって悪くはないのですよ。
カフェ・ドゥ・パリよりも何倍もすわり心地のいいいすが並び、静かでサービスも一流。

昔はちょっと女性に目がないタイプのシニアのボーイさんがいましたが、
その日は可愛いくて利発そうな若い女性がいてくれました。
そしてその女性いわく、サロンでもお茶をのめるとのこと。
「いったい誰がそんなこと言ったのですか。」と同僚に憤慨していました。(笑)

いざ注文の段になって友人の息子さん(大学生)がパスタを食べたいと言い出し、
困ったなぁ(イタリアでは食事はきまった時間にしか出来ないのが普通です。)と思いながらも
一応彼の行ったことを訳してみると、意外にもパスタを作ってくれるとのこと。

おそらくホテルには外国人がい多いのと、
ルームサービスなどのためにコックさんが常駐しているからではないでしょうか。

普通のレストランのコックさんたちは昼食のオーダーストップの後は家に帰って休息します。
そしてまた夕食時に出てくるのです。
レストランそのものも午後3時半頃から夕方の7時過ぎまではしまってしまいます。

とにかく食べ盛りの大学生はリングイーネをペーストであえたパスタをぺろりとたいらげたのでした。
高校生のお嬢さんのほうはおいしそうなケーキを召し上がりました。
女医さんでいらっしゃる友人はノンアルコールの食前酒、私はカンパリ。

サロンでは食事は禁物なので、喫茶室に入ってかえってよかったということに終わりました。
若者達が舌鼓をうっている間にわれわれは大阪弁でしゃべりまくりました。
大阪弁のせいなのか、何度かメールを交わしたせいか、何の気取りもなく
笑って話を出来て楽しかった。

若者二人はおばさんパワーにたじたじという様子でした。
その若者のKeiko評は「大阪のおかんのテイストを残したローマのマダム」
う〜ん、うまいこといわはる。

                 Keiko

 

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