近頃のイタリア人

 

ひさびさにメルマガを発行したら、またもや写真のリンク切れという
無残な姿をさらしてしまいお恥ずかしい限りです。

皆様にはご辛抱くださいとしかいえません。
ただただ、私の早とちり、おっちょこちょいな性格のなせる業なのですから。

今回は、間違いを防ぐ意味でも、また最近やたらと写真が多かったので、
初心に戻って記事だけをお送りします。

 

毎週水曜日の午後5時にはLiana(リアナ)さんが、日本語の勉強を
するために我が家にやってきます。

かつて、近所の工場で通訳をしていたとき、ある秘書の方から
「私の姉妹が日本語を勉強したがっているのですが、教えていただけますか?」

とたずねられたので、「とりあえずお会いしましょう。」と電話番号を交換しました。

ほどなくご本人から電話があり、日にちを決めてレッスンを開始しました。

さきほど姉妹と書いたのは、ここイタリアでは普通兄弟とか姉妹としか言いません。

話題が家族の紹介なら、姉なのか妹なのかと聞きますが、
別段必要のないときには特に問いません。

さて、やってきたのは秘書の方の妹さんでした。
と言っても50歳を超え、開業医をしている方です。

これまでにも数人のかたに日本語を紹介してきましたが、
(とても教えると呼べる代物ではありません。日本語はとても難しいですから。)

ある方は『仕事で日本へ行く可能性があるので、会話ができるようになりたい。』
別の方は『大学で日本語を専攻していて、試験のために特訓したい。』
またある方は、これは理由になるかどうか分かりませんが、
『ぜひ日本の女性とお友達になりたいので、言葉を覚えたい。』

とまぁ、これまでは何がしかの必要性があって勉強しようとなさった
方たちばかりだったのですが、
Lianaさんには何の必要性もありませんでした。

ただ、あるイタリアのジャーナリストが書いたものを読み、
日本の文化に惹かれたので、それも漢字にひどく魅了されたので、
ぜひ、もっと日本語を勉強したいという、ただそれだけです。

今や第2のホームドクターになってしまった彼女の診療所を訪れ
どれだけ忙しい思いをしているかを目の当たりにしたとき、
改めて彼女のバイタリティーとやる気に圧倒されてしまいました。

ついでながら、彼女は料理が大の得意で、お菓子類も自分で作ります。
一度、自作のマーマレードをたくさんのっけたトルタを持ってきてくれましたが、
それはもう、とってもおいしくて、普段はあまり食べない息子も喜んでいただきました。

また、クリスマスにはわざわざ本場のナポリへ出向き、
プレセーペ用の素材を買い込み、自分で仕掛け人形を作ります。

もちろんこの忙しさですから勉強のほうは時に数ヶ月途切れたり、
昨年のおさらいを繰り返しているような状況ですが、
何よりうれしいのは、大の日本ファンであると言うことです。

最初の頃、せがまれてローマにある日本食レストランへ一緒に行きました。

彼女いわく、「最近のイタリアではおすしを食べずして、エリートとはいえない。」
のだそうです。

昨年家を新築したときも、家族全員のベッドは木枠にたたみ敷き。
という懲りようです。

我が家を改装したときにも、たくさんのインテリア関係の雑誌を見ましたが、
確かに今日本風であることがトレンドであるようです。

中には首を傾げたくなるようなものもありますが、
大いなる興味を抱いているのは確かなようです。

医師会の集会などでも話を聞く傍ら漢字の練習をしているというくらいの
Lianaさん。

またその息子さんのお友達と言うのが、一家そろっての弁護士ということで、
当然のように法律の勉強をしていたのに、突如日本語の勉強に興味を持ち、
大学の学部も変わり、日本文化会館へも登録し、
なんと、今春日本語での演劇発表をしたというほど。

さらには、日本の能劇場でにわかを演じるために日本へ行くそうです。

とまぁ、このようにイタリアでの日本ブームが高まってきています。

日本でのイタリアブームはもうブームという言葉が当てはまらないくらい
定番になっているかと思われますが、
こちらでも、武道や盆栽やエレクトロニクスなどがもてはやされていただけだったのが、
料理や映画や、より身近なものへも興味の輪が広がってきています。

                                <Keiko>

 

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