<自動車学校>


今日は、古い話ですが、私がこちらで運転免許を取ったときのことをお話しましょう。

日本では運転免許を持っていない私でした。

もし日本のを持っていれば書類の書き換えだけで取れたそうなんですが、

持っていないものは仕方ありません。

そこで一からこちらの方達に混じって学校へ行きました。

日本では行ったことはありませんでしたが、自動車教習所というものが

どういう感じかは知っていたつもりです。

コンクリートの建物の横に模擬コースがあって信号や横断歩道があって・・・

こちらにはそういう学校はありません。

Auto scuola(アウト・スクオーラ)まさしく自動車学校とかいてはありますが、

ビルの中の一室だったり、食料品やさんの隣の小さなテナントだったり・・・

よーく見ないとわからないくらい小さくて、普通です。

とにかく模擬コースがないんですから。

 

さて、学校に身分証明書などの書類を提出し、3回ほど道基法などを

勉強するとピンクの仮免をくれます。

その色のとうり Foglia rosa (フォーリア・ローザ、ピンクの紙)といい

これがあれば運転暦10年以上の人が横に乗っていれば運転していいんです!

大体私のように何も知らないで学校へ行く人は珍しく、

ほとんどの人は家族や友人から大きな駐車場やカラカラ浴場前の広場などで

運転を教わってから、すでに自動車を動かせるようになってから学校へ来るのです。

法規と構造の勉強の為に。

つまり実習は即路上です。(恐)

怖がりの私は実習を30回くらいとったので、日本で免許を取るくらいの料金を

払いましたが、試験を受けるためだけに来るような人たちは、

確か2,3万円くらいですんでしまうようです。

 

このときに私のイタリア語のレベルが上がったと夫は今もいっています。

つまり、一生懸命勉強しました。

でも、信号が黄色のときに交差点を渡ってしまえ!と回答したのが間違いで

一度落とされました。

外国人には、辞書の持込が許されているし、

試験中も、「もし内容がわからなければ質問しなさい。」と

とても親切だったのを覚えています。

 

こちらでも、ローマやミラノのような都会に住んでいる限り

免許がなくてもあまり困りませんが、

ちょうどその頃田舎へ引っ越そうという話が持ち上がっていて、

こちらの田舎はたいてい山のてっぺんに町があるので、

車がないと身動きできません。

鉄道は山のふもとまで、そこからはいつ来るともわからないバスを待つしかないのです。

タクシーのある駅はよほど大きな町か、観光地のみです。

学校へ通い始めて程なく妊娠したことがわかり、

なおさら免許が必要になりました。

こちらでは子供を学校へ車で送っていくのです。

もちろん徒歩圏にいる子は違いますが、

少し離れると防犯上、又車の運転も荒っぽいので安全上、

たいていお母さん方が朝送っていきます。

そしてもちろん学校が引ける午後1時ごろ又迎えに行くのです。

ですから、妊娠したとわかった時どうしてもとらなければ!となったのです。

 

今となっては、運転免許を取ったことが私の人生の中で

最も素晴らしいことのひとつといえそうです。

自由にどこへでもいける!素晴らしいことです。

我が家の近辺には四季折々美しさを満喫できる山道があります。

又、夏は学校が終わってからでも海へ出かけます。

曲がりくねった山道で、うまくタイミングよくギヤーが入ったときには

言い知れぬ満足感が・・・

おっと、話がそれてきました。ではまた。

                   <<<管理人:恵子>>>

 

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