<イタリアの物価>


すでにどこかに書いたかもしれないし、おいおい気が付いておられる方もおいでだと思うが、

私は数字が苦手。

算数は良くできたけど、数学になってからはからっきしだめになった。

あまり裕福には育っていないのに、お金に関心が薄い。

お金持ちになりたいし、許されればしてみたい贅沢が山ほどある。

一攫千金を望みながら、宝くじを買ったり、株に手を出したりしたくない。

でも、週に6日、毎日働いて20万円稼ぐより、

月に何日か働いて、20万円のほうが好き。

そして、収入にはつながらなくても息子に寂しい思いをさせず、

庭と犬を自分で手入れして、家事も最低限こなして

人に迷惑をかけずに暮らせればそれで満足。

こんな私だからあまり物の値段や物価に話題が移ったことがない。

これではいけないと、今日はイタリアの物価事情に関して書くことにした。

あくまでも私流なので、統計やパーセンテージやそんなものは出てこないので念のため。

少し前にL'Aquilaという町へ家族で出かけたときの様子を記事にした。

そこで昼食代を60エウロプラス5エウロのチップで8000円くらい使ったと書いたら、

その日は贅沢をしたのかという問い合わせがあったのでびっくりした。

私たちはその日もおいしくて安い食堂に当たって喜んでいたからだ。

日本でイタリアの経済をどのように報告されているのか分からないけれど、

日本が世界でも有数の物価高の国ということで、

イタリアを含めたほかの国々はもっと安いのだという感じをお持ちのようだ。

とんでもない!

フェンディやフェラガモやプラダをこちらで買えば日本より安いのだろうけれど、

(そう思ってわざわざ旅費を払って買いに来る人がいるけれど、割りにあうのかしら?)

箱入りティッシュペーパーが100枚入りで(通常日本では200枚入り)2エウロを超える。

Kleenexというメーカーのものが手元にあるのでそれを例にとると

3枚重ねのティッシュが56組はいって1.57エウロ!

ちょっとややこしい。通常日本のティッシュは2枚重ねで200組はいっていると思う。

そこでのべにしてみると400枚の紙。

イタリアのは56x3だから、168枚。

日本では私がいた頃は一箱100円を切っていた。今でもそんなに上がっていないと思う。

こちらは一箱約260円。しかも紙の量は半分以下。

ここで考えなければいけないのは、リラからエウロへの移行時に

物価が2倍になったこと。

かつて同じようなティッシュが2000〜3000リラだった。

そのまま換算すれば1〜1.5エウロ。

ちなみにリラからエウロへの換算は、1エウロが1936.27リラだった。

ところが、多くのものがゼロを三つとって表示されたのだ。

2000リラは2エウロ。つまり、3872.5リラ。

デミタスカップのコーヒーが1000〜1200リラだったのが

ごく正直なところで0.6エウロ。ほとんどは1エウロ以上。

もちろん物価は年々上昇する。でも、いくら多めにみても1〜2年で原料費が倍にはなるまい。

衣料品も同じ。つまらないT-シャツが20〜30エウロ。

以前は10000リラ、15000リラで買えたものだ。

つまり、ものによっては4倍くらいになっているものもあるということ。

良い例がスーパーのカートを使うときのデポジット。

こちらの人達はあまりお行儀が良くないので、使い終わったカートをその辺に放ったらかしにしておく。

そこで、カートに小銭を入れてくさりからはなして、

使い終わってもとに戻すとその小銭が戻ってくるシステムを取り入れている。

その使用料がかつては500リラだった。

それがエウロになってからは1エウロ。

硬貨の大きさの問題だという人がおられるかもしれないが、

1エウロと500リラ硬貨は同じ大きさではではない。

どうせ器械を作り変えるのなら0.5エウロでも0.2エウロでも良かったはずである。

ついでながらイタリアには不法侵入した外国人がたくさん住んでいる。

そういう人の多くがスーパーで買い物をした人達のカートを元に戻すということで

手間賃代わりにデポジットしてある小銭をもらっていく。

以前は500リラ。飴玉1個ぐらいの値段だからまあいいか、と時には彼らに任せたものだ。

今や1エウロ。息子のお小遣いに匹敵する。

彼らにとっては一気に4倍の収入。

今は、絶対自分でもとの場所に戻すことにしている。


<<<管理人:恵子>>>

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