Liquirizia (リクイリツィア=甘草)

 

イタリアの食べ物が大好きな私にも苦手のものがあります。
それはリクイリツィア。甘草です。

漢方薬でご存知の方も多いと思いますが、日本ではこの甘草をお菓子などには使わないと思います。

イタリアではかなり多用されていて、子供用のお菓子からガムや大人用の甘みを加えないキャンディーまで、
いろいろなリクイリツィアを原料に使ったものがあふれています。

リクイリツィアは、貧血気味の方によいそうですし、ホルモンのバランスを整えるとか、
セキにいいとか、リュウマチや肝臓病にも良いそうです。

こちらのタバコ屋さんやバールには必ずガムや飴玉などと一緒にこのリクイリツィアが置いてあります。

イタリアではカラッブリアという最南端の州で作られています。
ブリタニア百科事典でも一番品質のよいリクイリツィアはこのカラッブリア産だと表記されているそうです。

同名の植物の根っこの部分を利用します。

この根っこを乾かしただけのものは、味が穏やかなのでわたしも長時間運転するときなどに
しがむ(関西弁かもしれません、長い間噛み続けることを言います。)ことがあります。

でも、普通はこの根っこを煮出してそのエキスを固めたものをいただくのですが、
ごく小さな飴でも最後まで食べることはできません。

甘草と名前を聞くと甘そうですが、実はとっても苦いのです。
そのくせどこかに甘みがあるのですが、やっぱりまだ苦手です。

真っ黒なので、食べたあとは口の中も真っ黒になってしまいます。
黒いということの形容詞として使われるほどで、
たとえば黒い飼い猫や犬の名にリクイリツィアとつける人がいるほどです。

ところが最近、このリクイリツィアがリキュールになりました!
いえ、正確にはかなり以前から存在していたのですが、やはり南部へ行かなければ手に入らなかったのです。

それが最近近くのスーパーに入ってきました。
飴玉に比べるとずいぶん馴染みやすいです。

イタリアでは食事の最後に食後酒と呼ばれるかなりアルコール度の高いお酒を少しいただくのですが、
こういうものにも流行があるらしく、私がイタリアに住むようになった頃は
どこのレストランでもサン・ブーカというアニスのお酒が好まれていました。

それが、アマーロになり、最近ではリモンチェッロに断然人気があります。

リモンチェッロはソレントのおいしいレモンで作られるお酒で、黄色い色は見た目もきれいで、
よーっく冷やして飲むものなので、夏場に特に人気があります。
数年前まではソレントのレストランでしか飲めなかったのが
最近ではどこのスーパーでも売られるようになりました。

予断ですが、レモンなどできもしないアッシジで、
このリモンチェッロを特産品として売っているのはどういうことなんでしょうか???

もう何年かすると、リクイリツィアのお酒が食後酒としてもてはやされるようになるのではと思います。
飲んでおいしく健康にもいいのですから・・・

                   Keiko

マメ科の植物 根っこを乾燥させただけのもの 甘みを加えたお菓子にはいろんな形がある リキュール

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