* イタリアからボンジョルノ! 2007年 No.19*

家の外壁改修工事

 


我が家は20数年前にたった旧い家で、その間持ち主も3度変わって、われわれが4代目。
最初の持ち主は余暇を楽しむために小さな家を建てたらしい。
それでも昔のことだから、天井も高く、壁も分厚く、階段周りもゆったりとしている。
2代目の持ち主もご夫婦だけだったので、 その家の広さで十分。
主に庭に力を入れて、散水設備などを整えたらしい。

そして3代目、いわくつきの住人が入った。
彼らも夫婦二人暮し。でも、台所をバルコニーの下に増築した。


いわくつきといったのは、ご近所との付き合いを一切しない人たちで、
何年も住んでいながら一言も言葉を交わしたことがないというから驚きだ。
彼らの時代に、せっかくの散水設備もダメになった。
庭もジャングルに変身してしまっていた。
家はたくさんの家具で飾られていたけれど、
窓のサッシの溝にタバコの吸殻がいくつもたまっていたりして驚いた。
掃除をいうものをしない人たちだったようだ。

そんなだから、われわれが入ったときにはすでにあちこち痛んでいたのだけれど、
道路からちょっと奥に入った立地条件や、庭の広さが気に入って
家はどうせ修理するものだからと決定したのだった。
とりあえず必要な内装工事をして入居したものの、外回りにはなかなか手が出なかった。

同じなら自分達の好みにあった素敵な外装にしたいし、
それに必要な経費はなかなか見出せなかったから。
でも、もうしないではいられなくなってしまった。
先代が増築した部屋の天井から雨漏りがし始めたからだ。
天井の上のバルコニーも彼らが拡張したのだが、使用していた化粧版が、
冬の寒さで凍ってあちこち痛んでいたし、
もともとのバルコニーとの継ぎ目にひびが入ってそこから雨がもれてくるようになってしまった。

今、われわれはその部屋をストゥディオ(書斎)に使っている。
つまり、PCを置いている部屋。
私のデスクの上を大きな亀裂が走っていて、そこからストゥッコ(漆喰)が落ちてくる始末。
それで、あわてて修理に入った。

入居時に内装を頼んだのはいぜんのうちの隣人で、友達だからということで、
少しは安くしてくれたのだろうけれど、彼らの時間にあわせてずいぶん工事が遅れてしまった。
しかも外国人労働者ばかりを使っていて、工事もずさんだった。
完璧に仕上げをせずにこうして何年もほうっておく友人に何も文句を言わない主人が歯がゆい。

たとえば新しい窓を設置したところはこんな状態だった。

窓枠

それが、先ずこうなった。

窓枠

息子の部屋の壁が湿気ていると思ったら外側の雨どいがこんな状態だった。

雨どい

それもこうなった。

雨どい

玄関に張り出しているバルコニーもそろそろ危険な按配だった。

玄関上のバルコニー

今は、

玄関

9月26日から始まって、まだ工事は終わらないけれど、
少しずつきれいになっていくのは楽しみなものだ。
サルディニア出身のこの方はよく働いてくれる。

Francesco

主人は思いがけない出費で寂しい年末になりそうだけど、
朽ちていく家をそのままにはできないのだからしょうがない。
彼は今回、外壁を明るいクリーム色にしたことをたいそう気に入っている。
私もバルコニーがきれいになって、洗濯物を乾すのも気分がいい。

日本ではおそらく工事会社に全てを任せるのだろうけれど、
イタリアでは、時に資材を自分達で買いに行ったりもする。
いぜん、内装をしたときには4,5人がいつも働いていてお茶を出すのに忙しかったけれど、
この方はコーヒーが嫌いなのでその心配もないし、
一人か二人の手伝いを連れてくるだけなので、ざわざわしなくていい。

すっかり友達になってしまって、一度どうしても出かけなければならなかった時に
Kenの夕方の薬を彼にやってもらったほどだ。
さてさて、クリスマスもセメントのミキサーを眺めながら過ごすのだろうか???

 

Keiko 02/12/2007