□■□■ 出たっきり 邦人・欧州編・20180821 1583 ■□■□■


       〓ローマの田舎町から〓



食の話題 3



  1. Cine giaponese

  2. 日本食の人気

  3. パスタの基本


まず、Cine giaponeseっ てなんだろうと思われたでしょうね。

チネジャポネーゼと読みますが、
ここ最近の、こち らに住む日本人たちの間で通用する造語です。


CineCineseの略。

イタリア語では中国がCina(チーナ)

中国人はCinese(チネーゼ)となります。

英語でチャイナというのと似てますね。


そして、日本はGiappone(ジャッポーネ)、

日本人はGiapponese (ジャッポネー ゼ)。

つまり、Cine giaponeseと は中国人による和食レストラン。


私がイタリアに住み着いた30年前はイタリアのピッツェリ アが

どんどん中華レストランに衣替えしていました。

街中に赤い提灯が並んでいたものです。


でも、ブームは長くは続きませんでした。

イタリア人たちは化学調味料の味に慣れていなかったのです。

シンプルで素材の良さを活かした

地中海風料理になれたイタリア人には

化学調味料は全くの異物で、頭痛を訴える人が続出し、

また、店内の強い油の匂いにも耐えられなかったようです。

素材の鮮度や店内の衛生にも疑問を持つ人が多くいました。


そこで、相次いで中華レストランは閉店していきました。

そのうち生き残った中華レストランの中には「寿司」

の看板を掲げるところが出てきました。


当時、ローマには純粋な和食レストランが4件だけありました。

客筋はまだ多くが日本人でした。

でも、次第にイタリア人が大半を占めるようになっていき、

中国人はそこに目をつけたようです。


ただ、当時のにわかづくりのCine giapponese

お世辞にも美味しいとは言えず、寿司と言いながら

何も味のないご飯の上に薄っぺらな魚の切り身が乗っているだけ。


だから何年も、そういうところへはいかなかったのですが、

最近は中華レストランを改造したのではなく、

店内の雰囲気もさることながら、

日本から寿司板さんを招聘したり、日本人のウエイトレスさんを

雇ったりして、本格的に取り組んでいるところが出てきました。


最近、贔屓にしているところもオーナーはイタリア人と中国人。

厨房と店内にそれぞれ日本人がいて、他の多くのいろんな国から来た

店員さんたちの指揮をとっています。


寿司板さんは中国人ですが、

なかなか美味しいお寿司を食べさせてくれます。



日本にも高級な和食レストランや寿司屋があり、

また庶民的な店があるように

かつて和食は超高級料理と思われていたのですが、

Cine giapponeseの登板で庶民的な和食が食べられるのは

嬉しいことです。


ただ、残念ながらまだ和食がどんなものかよく知らない

Cine giapponeseもたくさん残っていて(特に周辺部)

そういうところで食べた方々が、

それが和食だと思ってもらっては困りますね。


少なくとも自分で行ける範囲のところへは行ってみて

試食して、イタリア人の質問に答えられるようにしています。

つまり、その店がOkayか、NOか。





さて、日本食の人気はどんどん高まっていて、

30年前には豆腐が食べたい時にはモッツァレッラチーズに

刻みネギや醤油をかけて食べたりしていましたが、

最近は健康食、美容食の観点からも豆腐を始めとする

大豆製品が増えています。

まだ、豆腐に関しては決して美味しいとは言えませんが。


また、カップ麺もどんなスーパーマーケットにも並んでいます。

それも、地元イタリアのメーカーのものです。

日本のは2倍強の値段で見ることがあります。


先日、薬局の痩身食コーナーで糸こんにゃくを見つけた時には

小躍りしてしまいました。

しかも、とても美味しかったのですよ。

ただし、ひとにぎりの糸こんにゃくが5ユーロ近く、

つまり600円以上もします。


大手のスーパーマーケットには醤油はもちろん、

寿司のり、合わせ酢、わさび、寿司用の米、パン粉、など

こちらに住み始めた時には夢にも思わなかったようなものが

並んでいます。

しかも、日本人は私しか住んでいないこんな田舎で

品切れの時があることを思えば普通のイタリア人たちが

こういうものを日常の食事に取り込んでいるということですね。


一昔前は和食はトレンディで

和食レストランに出入りするのが

まるで一種のステータスシンボルのようでしたが

ごく身近なものになりつつあるのは喜ばしいことです。





では、最後にイタリア料理にも触れておきましょうね。

日本ではすでにイタリアンをごく普通に

食卓に登場させておられるでしょうが、

ここで、基本的なパスタの作り方のおさらいです。


意外な発見があるかもしれませんよ。


どんなパスタを使うにしてもまず用意していただくのは

たっぷりの煮立ったお湯とひとにぎりのお塩です。


我が家で3人分のパスタを茹でるには直径20cm

深めのお鍋に約3リットル弱のお湯を沸かします。


そこに小さじ山盛り4杯の塩を入れ ます。


パスタそのものには塩が入っていないので

茹でるときに塩味をつけます。


パスタを入れると湯の温度が下がるのでパスタ同士や

鍋の底にくっついたりするので、さっとかき混ぜてください。


塩入りの湯で茹でることで茹で上がりもしゃきっとした

歯ざわりを長く楽しむことができます。


もちろん茹で具合は好きずきで良いと思います。

イタリアでは少し固めに茹でたのを好む方も多いですが、

あくまでも個人の好みの問題です。


肝心なのは茹で上がったらすぐにソースと混ぜて頂くこと。


だから、ソースは予め作って置かなければなりません。

ラグーなら3時間ほど前から準備します。


でも、ブーロ・エ・パルミッジャーノなら 0分。

ブーロはバターのこと。

パルミッジャーノは

一般にパルメザンチーズと呼ばれているチーズのこと。


つまり茹で上がったパスタにバターをからませ

粉チーズをかけて頂くというもので簡単そのもの。


本物のパルミッジャーノ・レッジャーノが手に入れば

その美味しさもひときわです。

これには短いパスタを使ってくださいね。


ファルファッラ(ちょうちょ型)やロテッレ(車輪型)など。


オリーブオイルベースだけではなくこんな食べ方もあるんですよ。

これからも折りに触れて簡単なレシピをご紹介できればと

思っています。



821日 Keiko ローマ




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