Feste Italiane タイトル イタリアの祝祭日

<<<S.Valentino>>><<<バレンタインデー>>>

教会の神父さまというのは、日本のお寺の住職のように地元の人々の話し相手、相談役を担っていて、
特にキリスト教では、懺悔というシステムもあり、みんなが胸のうちを打ち明けたのですが、
特に年頃の若者にとっては親にいえないことも聞いてもらえる唯一の人です。


昔は、好きだからその人と結婚する。
という当たり前のことがとても難しかったようです。

イタリアでも、ほとんどの婚姻は親同士が決めていました。
貴族の家では生まれたときに結婚相手が決まっていたりしたものです。

平民でも、家同士の仲が悪かったりしたら、結婚できません。

そういう問題を抱えた若者たちをたくさん助けてあげた神父に
Valentinoという名の神父様がいらしたということです。

いろんな町で、内の町にいたValentinoだといいますが、
別にどこの町のValentinoさんでもかまわないと思います。

要は、そのValentinoという名の聖人にささげられた日を、
「愛するもの同士の日」として祝うようになったのです。


かつてまだ姑が生きていたころは、2月の14日には、
必ず「おめでとう!」と電話をしてきてくれたものです。

なぜなら、私には愛する人(姑の息子)がいるわけで、
バレンタインデーはここイタリアでは、
愛する人を持つ人すべてのお祭り、愛するもの同士の祝日なのです。

ですから結婚して何年もたった夫妻もその日を祝います。



まだ息子が小さかったので10年ほども昔になるでしょうか、
うちにしばらく住んでいたイタリア料理のコックさんになりたい日本の若者と
主人と3人で、夕食をローマのどこかのレストランでとろうということになり、
開店早々の時間帯ににいくつかのレストランを当たったのですが、
みんな予約がいっぱいで断られました。

当初、なぜだかわからずに困惑していたのですが、
最後に行ったレストラン(フランス料理だった)が、

「3人には窮屈だけど良かったらひとつ小さなテーブルがあいていますよ。」
と座らせてくれたので、どこもいっぱいなのはどうしてかと聞いたら、
「今日はサン・バレンティーノですからねぇ。」という答え。

つまりどこのレストランも、二人でひとつのテーブルを占領するので、
いきおい満員になってしまうのでした。

その日まで、イタリア人の主人でさえ、
サン・バレンティーノにみんながカップルで
外で食事をするとは知らなかったようです。(内の主人はその辺がおんちです。)


こうして外出しない人たちも、何がしかのプレゼントを交換します。
奥さんから御主人へネクタイ、御主人からは花束・・・
などが典型的なところでしょうか。

でも、普段からチョコレートはプレゼントに最適なものとして定着しているので、
(ミルクチョコはスイスですが、そのほかのチョコはイタリアが本場です。)
チョコレートもプレゼントします。

日本のようにチョコレート一本やりではありません。
ましてや義理チョコなんてもってのほか!

でも、チョコレート会社が売り上げ倍増を狙うのはこちらも同じ。
今年の目玉商品は、なんと唐辛子入りのチョコ!
早速、味見をしてみましたが、ただのおいしいチョコでした。


たまたま日曜日に食事をしたレストランに、
バレンタイン用のお誘いカードがあったので、以下は
そのカードに書かれている内容(メニュー)です。

 


”愛の出会い”
(天使の絵)

愛のプレリュードという名の前菜

アンニョロッティという短いパスタのタルトゥーフォ和え
海の香りの乱切りパスタ

ポテトの蒸し煮を添えた串焼き肉

パッションサラダ

夢のようなデザートは・・・
チョコレートとスグリの実のアイスクリーム


ごく田舎のホテルのレストランです。
これだけ食べて二人で60エウロ。

ローマなら軽く2倍はするでしょう。
おっと、ロマンチックなバレンタインデーのお話しをするつもりでした。


               <Keiko>

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