Feste Italiane タイトル イタリアの祝祭日


<<<8 Marzo:Festa della donna>>><<<3月8日、女性のお祭り>>>

ミモザの花

(撮影:ガンボン)




お雛様と日にちは近いのですが、その歴史も意味合いも全く違います。

1908年ニューヨークのある繊維工場で、そこで働く女工さんたちが
過酷な労働条件の改善を求めて、数日前からストに入っていました。

3月8日、経営者が彼女たちのいる部屋を全部占めてしまって
火を放つという行為に出ました。
なんと129名もの女工さんたちが命を落としたということです。
すぐに彼女たちを追悼する集会などが開かれるようになり、
この事件をきっかけに、全世界の虐げられた女性たちの地位の向上を目指す
ウーマンリヴの運動がニューヨークから次第に全世界へと広がっていきました。


そしてあの忌まわしい事件のあった日、
3月8日が女性のお祭りとなったのです。


(斜線で消したところは後日デマであったと知り、この様に編集しました。)



イタリアの女性の地位はといいますと、いまやほぼ社会的にも
その地位を確立したといっていいのではないでしょうか。

女性大臣もいれば、女性経営者もたくさん居ますし、
市の清掃業をはじめ、
肉体的に重労働ではないかと思われる職種の中にも女性の姿を見かけます。



日本に比べると圧倒的にサービス業につく女性が少なかったのですが、
最近、町のBARでも、女性のウエイターを見ることがあります。
(バールと発音し、立ち飲み喫茶のことで、
日本のように夜のみにいくところではありません。)



そして、むかし社会での位置はいまひとつだったかもしれませんが、
いったん家庭に入ると女性であるMamma(マンマ)が
おおいなる力を持っていたわけで、
それは日本でも同じではないかと思いますし、
要は近代になって、これまで営々と続いてきた役割分担に変化がおき、
その変化を受け入れるのに、少しの間ぎくしゃくした時期が
あったということではないかとも思うのですが。


とにかくいまや社会でも男女同権を勝ち取ったのだから、
もうこのFesta (お祭り)の意味合いがないのではないか、
やめてしまってはどうかという意見も多いです。

せっかくあるFestaをやめてしまわなくてもいいとは思いますが、
女性の中にはこのFestaを悪利用?する人たちがいて、
その日は家事を放り出して、女友達ばかりが集まり、
レストランに繰り出し、ドンちゃん騒ぎをするのです。

知り合いのレストランはこの日が怖いとさえ言っています。

もちろんたまには家事を休んでもいいと思うし、
女友達と楽しむのもいいとは思いますが、
何もこの日をたてにとってすることはないと思います。

それぞれの国で、価値観が違うのだから一概には言えませんが、
まだ、私たちの感覚からは虐待されていると思える人たちが
世界にはいっぱいいるのだし、
自分たちの幸せを表現するには他にもやり方があるのではないでしょうか??



ところで、ちょうどそのころ黄色い綿帽子のような可憐な花をつける
ミモザ(本アカシア)の花を女性にプレゼントするという習慣があります。

今年はちょうどいい具合に咲いてくれそうですが、
天候によってはこのローマ近郊では花が終わってしまったりしたときも、
どこからやってくるのか花屋さんにはミモザが山済みになり、
道行く女性のほとんどが、ミモザの花束を抱えたり、
胸元につけて歩いています。

中にはこの花だけはどうも、というアレルギーの人もいるようですが・・・

Keiko

カレンダーへもどる  Homeへ