このかわいらしい街を、まだご紹介していなかったのですね。
そういえば、街の紹介が極めて少ないですね。(笑)
ローマの隣の県にFrosinone(フロジノーネ)という県があり、そこにフモーネ市は存在します。
ローマから「太陽の高速道路」を30分位南下し、Fiuggi-Anagniという出口で降り、
まずFiuggi方面へ、途中Lago di Canterno(カンテルノ湖)という標識に従うと、
やがてFumoneの街の名が見えてきます。
カンテルノ湖
このあたりでFumoneを紹介する時に必ず聞くことわざは
“ Quando Fumone fumat, tota Campania
tremat “
つまり「Fumoneが煙を吐くとき、カンパーニャ全体が震える」というものです。
どういう意味かといえば、Fumoneは標高800mの山頂に位置する街なのですが、
周りには何もなく、そこだけが突出しているのです。
そういう立地条件なので、昔から見張り台の役目を負っていた訳で、
万が一外的や政治的に対立する軍勢が押し寄せたときには煙を炊いて近隣の町に知らせたからなのです。
街と呼んでいますが、城砦です。
「方言」でお話しましたように、昔の街の成り立ちは先ず城砦から始まり、
人口の増加に伴って少しずつ大きくなっていくのですが、ここのように山のてっぺんでは
大きくなるといってもたかが知れています。
ここの城の主はLonghi家。
教皇ボニファッチョ8世の末裔で、1588年に取得しなんと今でも彼等が所有しているのです。
この城は法王庁に対して害のあった人物の牢屋として長い間使われました。
中でも、唯一教皇の座を希望して降りてしまったチェレスティーノ5世は、ここで獄死しています。
城内は基本的には毎日9:00,13:00,15:00のガイド付きで見学することが出来ます。
城の入り口です。
中に入っていくと、チケットを買うところと簡単な待合所があります。
屋上に広大な庭があります。
この庭からの眺めは360度。近隣の街や冬には雪山を一望のもとに見ることができます。
こちらはお城ではなく、街そのものの入り口です。入り口を入って最初の建物は市役所です。
さて、この小さな町へ来る楽しみは、実はおなかがはちきれそうになるくらいのメニューを
比較的安く、おいしくいただけるからなのです。(やっぱり!)
街へ入って左側の最初のわき道を入ったところに「La
tverna di Barone」というレストランがあります。
入り口を二階から見下ろしたところと、二階への階段。
入り口を入るとまるで何世紀か昔にタイムスリップしたみたいです。
街に入ったときにもそれは感じるのですが、ここはその昔の旅籠という感じです。
メニューはお仕着せです。
その日に手に入った材料で、同じ物を作ることで安く食べさせてくれるのです。
先ず、前菜。 おいしい田舎風の手で切った生ハムやサラミに、この辺りのペコリーノチーズ、
オリーブなどの盛り合わせと、ブルスケッタは自分でにんにくを擦り付けるガーリックトースト。
これだけでおなかがいっぱいになってしまう危険性があります。
おいしいけれど、控えめに。
最初のプリモ(パスタ料理)は卵でつくったパスタに、ラグーやカルボナーラなど。
2番目のプリモは、これぞここの一番の目玉商品、生ハムの骨でスープを取った乱切りパスタとお豆のスープ。
ペコリーノをたっぷりかけていただきます。
セコンド(メイン)はいろんな肉類を炭焼きしたり、オーブンで料理したもの。
付け合せの野菜は山ほどの野菜サラダ。
飲み物はワイン飲み放題。おいしいお水もお変わり自由。
これにコーヒーと ご覧のお菓子と
グラッパとがついてひとり20エウロくらいです。
以上を全部食べられない人はどれかを省いてもいいのですが、もちろんそうすればもっと安くなりますが、
まめのスープだけは省かないようにしてください。(笑)
Keiko