Scaramanzia(厄除け)・Sperstizioso(迷信的な)こういう言葉と明るいイタリア人とは無縁な感じがしますが、どっこいイタリア人にも迷信を信じ、
厄除けをしたり縁起を担ぐ人がたくさんいます。
Scaramanzia(厄除け)に関してはおのおのが自分だけの物を持っているようなところもありますが、
一般的なものでは、なんにでも効果があるといわれているのが金属を触ること。
あるいは
こういう、なぜか唐辛子の格好をしたものを触ること。
この唐辛子型の小物は幸運を呼ぶといわれあちこちで売られています。
サンゴや金銀で細工された高価なものもあります。
キーホルダーであったり、ペンダントであったり、ブレスレットやイヤリングとしてもお目にかかります。
どうしてもその場に金属も唐辛子型の小物もないときには男性は自分自身の大切なところに手をやります。
あるいは、人差し指と中指を絡める人もいます。(女性も)
そして、Sperstizioso=迷信的な人たちは、家族や友達にもそうするように勧めるきらいがあって、
かなり広くいろんな迷信が伝わっています。
いえ迷信というより縁起を担ぐというほうがあっているかもしれません。
これも地域によって差があるのはいつものとおりですが。
私が知る、最もよく知っているのはPaoloのそれです。
* 傘を家の中で広げない!
慣れるまでは、ぬれた傘を拭いて乾かしたいときに困りました。
* 階段・はしごだんの下をくぐらない!
工事中などで古い建物には足場がかかっているところが多いのですが、絶対その下は通りません。
今思いうかぶのはこれくらいですが、そのほか良く耳にするところでは、
* 黒猫が横切った直後の道路は通らない!
誰かほかの人が通り過ぎるまで待っている人がいます。車に乗っていても同じです。
で、どうしても通らなければならないときには、上記のような厄除けをするのです。
* ベッドでお金を勘定しない!
これはナポリの迷信らしいですが、寝室にはほかの人が入ってこないからいいと思いますがね。
また面白いことに13という数字はこちらではラッキーな数字といわれています。
われわれはキリスト様がピラト邸で尋問される時に上り下りされた階段と同じ数字だから
忌まわしい数字だと思っていましたが、キリスト教の本拠地ではこういうことになっています。
カトリックとプロテスタントの違いでしょうか?
ちなみにこちらで縁起の悪い数字は17です。
なぜだかきちんと知っている人にまだめぐり合ったことがありません、昔からの言い伝えでしょうから。
でもひとつ、こんな説があります。
17をローマ数字で書くとXVIIとなり、これを組み合わせてVIXI(生きるの過去形の意)で
生きていた=今は生きていない=死、と言うことらしいです。
その17日には家から1歩も出ないという人や、決して新しいことを始めない、旅行に出かけないなどいろいろです。
では最後に結婚式にまつわるScaramanzia・・・
花嫁は『何か新しいものを身に着けなければいけない(花嫁衣裳)、
何か古いものを身につけなければいけない、(母親から譲り受けた真珠のネックレスなど)、
何か借りたものを身に着けなければならない、(多くは手袋など)、
何か青いものを身に着けなければならない、(青い線が入った下着などでよい)。
そして結婚式の当日、花婿は決して式の前に花嫁を見てはいけない。
Keiko