食欲の秋

 


 

最近は日本でもポルチーニきのこが出回っているそうですが、
イタリアでも特にローマ近郊の城砦都市、カステッリ・ロマーニが有名です。
でも私はスーパーで買いました。^^
きのこはナイロンの袋に入れてはいけない(毒素が発生するらしい)ということですが、
スーパーでは仕方ありませんね。
そこで少量を袋に入れて買ってかえりました。

家に着くなり袋を開けてみたのですが、
なんと白くて動くものが・・・キャーーー。
数ミリの小さいものだったので流水で洗い流しましたが、
もしかしたらまだ中にもぐっているかもしれません。
そこで、中の虫が息苦しくなって出てくるようにと思い、
完全に水の中につけて一晩おきました。

翌日水の中には特に変化なし。
でも、きのこそのものがなんとなくグロテスクな感じになってしまったので、
一番小ぶりで虫食いの穴もなく、白くてきれいなものだけを残して
あとは捨てました。

買おうかどうしようか迷っている時に年配の男性が寄ってきて
値段を見て「ひゃーーー」とたまげた風をして立ち去るほど
やはりこちらでもそこそこ高価なものなので、もったいないとは思いましたが、
やはりあの動くものを見てしまった以上仕方ありません。

そしてこのポルチーニ、さっとフライパンで素焼きにしてオリーブオイルでいただくとおいしいのですが、
量が減ってしまったのでパスタにしました。
ポルチーニと一番相性のいいのはストロッツアァ・プレーティです。

きっとほかの地域では違う呼び名なのでしょうが、
このあたりでは 聖職者がのどを詰まらせる という意味のストロッツァ・プレーティと呼ぶのです。 
なぜなのか、行く先々のレストランで訊いてみますが、だれも知りません。 

おそらく、貪欲に食べることは「Peccato di gola.」という
7つの大罪のひとつに数えられるほどなのに、
このパスタのおいしさにはさすがの聖職者もむさぼりついてしまうということなのではないかと思います。

このストロッツアァ・プレーティ、実はいとも簡単に作ることが出来ます。

材料は、強力粉(なければ普通の小麦粉でもよい)と、一つまみの塩と水だけ。

量は訊かないでください。私はいつも目分量です。

適量の小麦粉に塩を混ぜて、水を少しずつ加えて、少し硬いかなと思えるくらいにまとめます。
しばらくこねて、麺棒で薄く延ばし、包丁で切ればご覧のとおり。

言ってみれば手打ちうどんです。(笑)
これを例によってたくさんのお湯で茹でます。生なのですぐに茹で上がります。

きのこはあまりスパイスも入れないほうがおいしいと思います。
きのこ本来の風味を損なわないように、いつものにんにくオイルだけで調理し、
お好みでこしょうを加えるくらいです。

ストロッツァ・プレーティ・アイ・フンギ・ポルチーニの出来上がり。息子の大好物です。^^

 

もうひとつ季節の食べ物といえば焼き栗です。

栗で有名なわが市。今年は10月に日曜が5回あるので第4土曜と日曜、
そして第5土曜と日曜日に栗祭りが開かれ、近隣からたくさんの方が詰め掛けます。
そのお祭りが済んで11月に入ると山が解禁になり、誰でも栗を拾っていいことになっています。
もちろんその頃にはいい栗は落ちていませんが。

イタリア人は栗を焼いて食べるのがいちばん好きなようですが、中には塩茹でをして食べる人もいます。
レストランでもこの時期にはサービスで食後のデザートに焼き栗を出してくれます。
そして、洋菓子やさんではこの季節にだけマロングラッセが出回ります。
お菓子屋さんによっては少しリキュールをしみこませたりするところもありますが、どれもみなおいしいです。

お隣のエリオさんちの奥さんが作る栗を使ったケーキは飛び切りおいしいので、
我が家では毎年それをクリスマスプレゼントとしていただくことになっています。(笑)

 

                 Keiko


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