スカンピのリゾット  ミニオフ会のメニュー

 


「オフ会」などという言葉がかなり一般的になっていますが、

先日、ミニオフ会と申しましょうか、北イタリアの町モデナに住む

エミリアさん(H・N)という方が我が家を尋ねてくださいました。

10歳のお嬢さんと学校の連休を利用していらしたのです。

イタリアは地域によって方言はもとより、自然も料理もかなり違っています。

彼女たちの住む地域は全くの平原で、海は遠く、冬場はしょっちゅう霧に見舞われるところ。

でもおいしい食材の豊富なところです。

特にアチェート・バルサーミコ(バルサミコ酢) が有名ですね。

 

エミリアさんもイタリアの生活をブログで紹介なさっています。

私よりお若い分、はつらつとした変化に富んだ生活をしておられるので、

そのブログもとっても楽しいです。

このミニオフ会のことも彼女ヴァージョンで紹介なさっていますので覗いて見てくださいね。

「エミリアからの便り」  http://emilia.exblog.jp/

エウロスターという汽車でいらしたので、最寄り駅までPaoloに迎えに行ってもらいました。

昔の温泉旅館のような「歓迎」の看板を持って。(笑)

ちょうどいらした日は彼女の誕生日だったので、朝からケーキを買って待っていました。

夕食はどこかのレストランへ行くとして、昼食は息子も学校から帰ってくるし、

彼女達の汽車が着くのも1時半頃ということで、私は

スカンピ(てなが海老またはアカザ海老)のリゾットを作ってお待ちしました。

リゾットとチャーハンの違いを一言で言えば、チャーハンがご飯をいためるのに対して

リゾットはお米をいためてから煮るのです。ちょうど反対ですね。                  

 

今日は、スカンピがたくさんあったので

全部を頭つきで入れるとフライパンの中が

ごちゃごちゃするので、

飾り用だけ頭を残し、後は頭をとりました。

その頭の部分を煮出してだしをとりましたl。

若干ブイヨンも使いましたが、

これでかなり海老の味がご飯にしみこみました。

 

 

海老のだしができる頃を見計らって

お米をいため始めます。

リゾットにはこういう黄色く

透き通ったお米が合います。

フライパンにはバターを溶かし、お米を入れます。

ざっくりといためたら先ほどのスープを

たっぷり注ぎます。

ふたをして弱火で煮ると、こうなってきます。

時折木のしゃもじでかき混ぜます。

味見をして硬すぎるようなら

もう少しスープを足してさらに煮ます。

やや硬めに煮えてきたら海老をくわえます。

海老を加えたあとはあまり煮ると

海老のうまみが逃げてしまいますし、

身もちぢんでしまいます。

身を取り出しやすいように、

腹のほうには切り目を入れてあります。

大きなスカンピなら手先もおいしいですが、

今日のは小振りだったのであきらめました。

お皿に取り分けたあと、お好みでバターを。

 

お客様にも家族にも好評でした。

セコンドにはじゃがいもとイカの煮たのを

用意しました。

日本的に思われるでしょうが、

イタリアの工場の写真食堂で出会いました。

たまたまその日はお客様の誕生日だったので、

朝から腕を振るって・・といいたいのですが、

時間も技量もなかったので、

この街で一番有名な

パスティッチェリーア(洋菓子店)で

見繕ったケーキです。

お年は知らなかったので、ろうそくは1本だけ。


昼食後は我が家の庭をごらんいただきました。

エミリアさんは、とても話の聞き上手な方で、

前日の雨で無残な姿の庭にもかかわらず、熱心に見てくださいました。

でも秋の日はつるべ落とし。

せっかくきていただいたのですから街の方も見ていただかないといけません。

たまたまPaoloが休みだったので同行してくれました。

おかげで私は楽をさせてもらいました。(笑)

 

Segni(セーニ)の街を囲む城壁沿いの遊歩道です。

この城壁は紀元前10世紀以前に作られたそうです。

夕日が傾いて影が長くなっています。
城壁に用いられた石の大きさをご覧ください。

こんな大きな石を運ぶことが出来たのは

神話に出てくる一つ目の巨人

=チクローペしかいないだろうというので、

こういう城壁をムーラ・チクローピケ

(一つ目巨人の城壁)と呼びます。

すぐ横では馬が草を食んでいます。
そしてこの街一番のモニュメント

ポルタ・サラチェーナ。(サラセン人の門)

サラセン人がやってきたときこの門から

街へ入ったのでそう呼ばれています。

周りにはオリーブ畑が広がっていました。

もう1ヶ月足らずで収穫です。

このあともまだ街の旧い教会などを見て

ホテルへご案内しました。

夕食は隣町のトラットリーアで

おいしいものをいただきました。

夕食はエミリアさんが詳しく報告なさっていますので

「エミリアからの便り」 11月13日分

http://emilia.exblog.jp/

でご覧ください。(また手抜き?(笑)
 

エミリアさんも私もイタリア人と家族になってしまいましたから、この地に骨を埋める覚悟ができています。

当然、留学や駐在で住んでいる方たちとは物の見方や感じ方も違うと思います。

昔の先輩格の同僚がこういったことがあります。

「イタリアを知るには3日以内で出て行くか、30年住んでみないとダメだ。」

短期滞在の方々は見るもの全てがセンセーショナルで、そういう方々の書くものはとても面白いです。

でも、視点は旅行者とさほど変わりがないのではないかと思います。

何年も同じ行事を繰り返し、何よりこの地で子どもを育て、しっかりと根を下ろしている

エミリアさんや私などのようなものにしか書けないようなことを

これからも地道にお伝えしていこうと思っています。

                              Keiko

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