夏休み

 

6月12日で2003〜2004年度の学習が終わりました。
つまりもう、こちらでは夏休みなのです。

北部は冬休みが若干長い分、夏休みが少し短く
南部ではその逆になりますので、あくまでローマでのお話です。

まる3ヶ月、毎日学校へ送り迎えをする必要はありませんが、
えらそうなことを言う反面、いまだにマンマ、マンマと
付きまとう息子が毎日、朝から晩までうちにいるかと思うと・・・

そろそろ友達と町をぶらつき始めたので、
(町中に住む子供たちはとっくにはじめているのですが、)
そういうときにはやはり送り迎えが必要です。

14歳になれば原付の免許を取ることができますが、
今夏と来年とはまだ彼の運転手を勤めなければならないようです。


お隣のアメリーゴさんちも、奥さんとお嫁さんとお孫さんは、
6月1日からすでに海の家へ行ってしまい、
アメリーゴさんと息子さんは男手だけで生活し、
土・日には家族のもとへ通います。

なんとけなげなイタリアのお父さんたち。
日本にも単身赴任がありますが、仕事のためと家族のバカンスのためとでは、
ちょっと感じが違いますよね。

こちらの人達は海辺での療養が健康に一番! という考え方の人が多く、
(事実健康にはとてもよいのですが、)ほとんどの人が夏は海で過ごします。

もちろんアルプスやアペニン山脈という2000〜4000mという山がたくさんある国なので、
夏山へ向かう人もいますが、
小さいお子さんからかなりのご年配までが一緒にすごすには海が勝るようです。

さきほどアメリーゴさんの家族が海の家へ行ったといいましたが、
別荘をお持ちなわけではありません。(別荘を持つ人達もたくさんいますが。)

1週間から3ヶ月ほどの単位での借家です。
ごく普通の家をシーズン中のみ貸し出すのです。
普通の家賃の3倍ほどが相場でしょうか?(いや、もっとかな?)

ホテルへ行けば1週間ほどで消えてしまう資金で、1ヶ月も海のそばの家で過ごせる。
ということで人気があります。

ただ、主婦の立場から言わせてもらえばちっともバカンスにはなりません。
普通の家なので、掃除・洗濯・料理すべて普段と同じように
こなさなければならないし、
海辺にいると聞くと普段は近寄りもしない友達や従兄弟たちまでがやってきて、
接待に終われます。

それでなくても、毎日海辺で小さい子供たちの面倒を見るのは疲れるものです。

先週の土曜日に、アメリーゴさんの奥さんも
「選挙にかこつけて3人の孫たちから逃げてきた。」と言って帰ってこられました。

お父さんたちも大変ですが、突然男親の抜けた家庭を切り盛りするのも大変なのです。
普段から父親の家庭での役割が多いだけによけい・・・

でも、可愛いわが子や孫のためにみんな少なからず奉仕しています。

ただ、子供たちがどのくらいそのバカンスを享受しているかというと
ちょっと疑問です。

息子が小学校1年生のときに、
それまでは私が働いていたので長期のバカンスは取れなかったのですが、
やっと時間的に余裕ができたので、Sabaudiaというこのあたりでは有名な
海辺の町で7月の1ヶ月間を過ごすことにしました。

どちらかというとPaoloが望んだのです。
きっと普通の家庭のように一度はしてみたかったんだと思います。
息子と私は知らない町に二人っきりで取り残されたような気分で、
もちろん仕事が早く終わったときや休みの日には
Paoloがやってくるのですが、帰って行くときの寂しさといったらありません。

息子にしてみても、自分ちならいろんなおもちゃがあるし、
なんといっても「ニン○ンドウ64」や、「プレイス○ーション」を
何日もさわれないのは拷問のようなものだったようです。

借りたのは、とてもおおきなVilla(ビッラ:土地付き1戸建てをこう呼びます。)で、
2世帯用に建てられていて入り口も反対側に2箇所あるということで、
大きいほうは別の家族が借りていました。

そちらに内の息子より1歳か2歳年下のお嬢さんがいて、
時々一緒に遊んでいましたが、
彼らは2ヶ月の契約をしていたので、私たちが引き上げるとき、そのお嬢さんが
「いいなぁ、ようすけはもうおうちに帰られて・・・」とため息をついていました。

海辺の砂浜で遊ぶのもいいけれど、毎日同じことの繰り返しにちょっぴり
嫌気がさしていたみたいです。

われわれ親子も土曜日と日曜日には日帰り客で浜辺が込み合うので
山の上の町に帰って、月曜にはまた海に戻るという生活でした。


とにかく、Paoloの思惑とは少し感じが違ったようで、
それ以来我が家では誰も長期のバカンスをしたいなどといわなくなりました。
実際問題、やっとPaoloの仕事のシーズンがやって来たのですから、
朝早くおきて、日曜日もなしに働く彼を一人でおいてどこへも行く気にはなりません。

しかも、いまやKenとHanaがいますし、仕事から疲れて帰ってるPaoloに
お花に水をやってくれとは言いづらいし・・・

そして多くの友達いわく、「あなたたちは年中ヴァカンス地にいるようなもんだからね。」

keiko

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