タイトル

第一話 :  ころころ変わる始業時間   


内の息子はColleferroというローマ県下の南はしにある人口2万人強の町の
中学に通っています。
自宅はSegniという隣町で人口8千人ほど。
隣町といっても車で7分くらいの距離です。

正式な学校名は、国立レオナルド・ダ・ビンチ中学校。
国立に特別な意味はありません。日本の公立とお考えください。
この町には中学校が2校あり、もうひとつのほうには
イタリアの統一運動家の名がつけられています。
最近外国からの移民が増えたので、それにともないクラスも増えつつあるといいます。

クラスの定員はほぼ20人、
うちの子陽介のクラスは男子15人、女子3人で合計18人です。
中にはほとんど女子ばかりのクラスもあってどういう基準かわかりません。
一番多いクラスで26人だそうです。2学年はAからHまでの全8クラス。
ちなみに今年の1年生はもう一クラス多い I クラスまで。

陽介は2年Gクラス。
Gクラスには3名の落第生と、一人の自閉症の子がアシスタントと共にいます。
中学1年生から2年に上がらせてもらえないなんて驚きますね。
昨年一緒に入学したクラスメートも二人落第しました。
一人は男子で最後の3ヶ月ほど学校にこなかったもので、
もう一人は女子で、まったくというほど宿題をしなかったそうです。

また、看護者をつけてでも普通の生徒と共に授業を受けさせる。
すばらしいことだと思います。
いろんなコンディションの子がいることを肌に感じて生活することで、
妙な偏見が生まれないのではないかと思うし、
何より陽介はその子が大好きで、
あまり表現を表に出さないその子も陽介とあと2人くらいには
よく笑顔を見せるようです。

話し変わって、始業時刻は今年は(よく変わります)8時5分。
8時5分にならないとドアが開きません。門は数分前に開きますが、
8時5分に授業開始なのに、8時5分に学校に入るとはどういうことでしょうか。

遅れまいと早く行っても、夏は炎天下、雨の日も外で待つことになります。
田舎なので交通渋滞もなく、ほぼ毎日ちょうどに着きますが、
中には8時半近くに来る子もいるそうですし、スクールバスは毎日遅れます。

参考までに昨年は、8時10分の開始でした。
それから毎時、59分間の授業をして、午後1時5分に退校。
今年は60分授業でやはり1時5分退校です。

退校のベルが鳴るとみんな門外にでなくてはなりません。
残って友達とおしゃべりしたり、バレーボールをしたりなんてもってのほか。
各クラスの5時間目の担当教師が全員を一まとめにして、送り出します。

60分授業というのにお気づきになりましたか?
そのとうり、正味60分の授業で休憩は10時過ぎに10分間のみ。
その10分の間も席を立つことすら許してくれない先生もいるそうです。

その10分の間におやつを食べ、(これもイタリアらしい?)
トイレに行き(先生の許可を得たうえで)やっぱり友達と話す間もなし。

つまり、朝クラスにはいると2時間あまり座りっぱなしで授業を受け、
10分の息抜きのあと(息抜きと呼べるかどうか疑問ですが)
また2時間半ずっとお勉強。正直言ってかわいそうだと思います。

私の中学の頃はもっと授業時間は長かったけれど、
各科目の間に10〜15分の休みがあったし、お昼休みがとても長かった。
休み時間には隣のクラスへ行ったり、運動場で遊んだり、
他の女の子達は大勢連れ立ってトイレに行ったりしていたものです。

日本とイタリアどちらにも良いところと改善しなければいけないところとがある。
これからも、ありのままを書いていきます。
なるべく私情をはさまずに書くよう努力します。

<管理人・恵子>