タイトル

第3話 : 欠席届(giusutificaione)

 

小学校の間は、学校を続けて5日休んだら、もう治ったから学校に復帰してよい
という内容の医師の健康診断書が必要でした。

 

土、日も勘定に入るので、水曜からその週ずっと休んだら、健康診断書が必要。
木曜から休んで次の月曜に登校した場合は何もいらないことになります。

 

陽介が小学3年生のとき、担任の先生の妹(彼女は宗教の先生)の家族と
やはり同じ小学校の先生の家族と友人の医師の家族と
4家族でスキーに行ったことがありました。

 

「Settimana bianca」(白い1週間)といって
こちらでは大体6泊7日でスキーに行くのが普通です。

 

そこで私は出発前にホームドクターに診断書を請求したことがありました。
月曜日の朝早くに診断書をとりに行く手間を省くために。

 

つまり、健康診断書といってもこういう場合にも使うわけです。

 

そしてもちろん担任の先生も自分と同じアパートに住む
妹たちと一緒に行ったのだから、御存知なわけですが、
別にお小言はありません。

それどころか、「陽介は1週間休養したんだからがんばらなくちゃね」
とクラスでいわれたそうです。

 

ところが中学生になってからは、たとえ一日でも休むと
親が書いた証明書が必要です。

学校が用意した証明書の綴りがあって日付と理由を書き込むようになっています。
子供が自分で書いて提出しないように、学校には親のサインをあらかじめ届けてあります。

そしてやはり5日以上の欠席になると医師の診断書が必要になります。

 

このほかに、遅刻した場合は親が送っていかなくてはいけません。
5分10分という遅刻ではなく、2時間目から出席するというような場合のことですが、
やはり時刻や理由を書いて学校の警備兼掃除担当の人たちに届け出をし、
初めてクラスへ入れます。

以前御紹介したように、休み時間がないこちらの学校では、
休み時間のあの喧騒がありません。
学校の廊下はいつもシーンと静まり返っているのです。

 

又、保健室がないこちらの学校では、子供たちがちょっと怪我をしたり、
気分が悪いと訴えたりすると、すぐに家に電話が入り、
親があたふたと迎えに行かなくてはなりません。

このあたりは田舎ですから両親が働いていてもおじいちゃんが居たり、
叔父さん、伯母さんが近くに住んでいたりするわけですが、
ローマあたりでは仕事場を抜けて迎えに行くか、
子供に我慢してもらうしかありません。

救急箱すらないことを知って愕然としたのももう7年前のことになります。


ついでに御紹介すると、職員室もないのです。
先生の待機室という感じの部屋があり、授業時間の空いたときに腰を下ろす場所はあるのですが、
それぞれの先生専用のデスクはないのです。

いくつもの学校を掛け持ちで教えている先生方がほとんどなので、
そのせいでしょうか。

校長先生の部屋だけはベランダつきの立派なものがあり、
相談事があればそこへ行くことになります。

中学は半日授業ですが、小学校は全日クラスがいくつかあったので
地下の食堂で先生も交えて1年生から5年生まで全員が一緒に食事をしました。

保健室はないけれど食堂は専用の部屋がある。

食いしん坊のイタリア人万歳!
健康な食生活をしていれば保健室なんか必要ないのかも???

<<<管理人:恵子>>>