スペイン階段のすぐ横にイギリスの詩人キーツが住んでいたアパルトメントが残っていますが、
そのキーツの作品の中に「イザベラ、あるいはバジルの壷」という作品があり、
主人公の美しいイザベラが、兄たちに殺された恋人の首を探し出し、大きな壷の底に隠して、
そこにバジリコを植えて自分の涙で大切に育てたという悲恋物語だそうです。
バジリコが生活に密着していたからこそこういう話に使われたのでしょうね。
バジリコと書いていますが、皆様はそれがバジルというハーブのことだとはもうお分かりですね。
今、バジリコは一番の成長期です。我が家にもふた鉢あります。

初夏にスーパーマーケットや園芸店に5号ポットに10本ほどのバジリコが植わったものが売り出されます。
価格は2エウロ(300円弱)くらいです。
3人家族にはこれで充分間に合います。
もちろん種を蒔いて育てることも出来ますが、わたしは種まきが苦手なのでいつも苗を買っています。
ひょろひょろとした苗をかなり大き目のそして深めの鉢に植え替えます。
育てば葉が大きく広がるのでそれを計算に入れて間隔をあけて植え込みます。
ご覧の鉢の直径は40cmほどでしょうか。
すぐに大きくなるので、最初に育った芽を摘んでべつの鉢に植えつけるとこれもすぐに育ちます。
左の鉢はそうして挿し芽にしたものです。
どんどん切り戻して使わないとすぐに伸びて花が咲いてしまいます。
花が咲くと株の勢力が衰えますからつぼみはていねいに取り除きましょう。
秋口になってそろそろ終わろうかという頃に花を咲かせて種をとりたい方はとられたらいいでしょう。
まだ試したことはありませんが、シソの実のてんぷらがおいしいのだから
バジリコの実のそれもおいしいかもしれません。
我が家ではすでにペーストを3回作りましたし、ビニール袋いっぱい分冷凍しました。
冷凍しておけば季節はずれにも使うことが出来ます。香りは損ないません。
それでもまたのびてきたので、今回はバジリコオイルを作りました。
エクストラ・バージン・オイルにバジリコの葉を漬け込むだけですから、
作ったというほどのことでもありません。(笑)
きれいなグリーンのオイルがバジリコのグリーンでいっそう深みのある色になるのはもちろん、
バジリコの香りがしみ出して、料理に使ってもとてもいい香りがします。
よかったらお試しください。
今年は赤いバジリコも見つけました。
ちょうど日本のシソのような色合いです。
普通のバジリコより少し葉が小さめです。香りは同じ。
見た目もきれいな植物です。

Keiko