闇のヒーロー:DIABOLIK(ディアボリック)

イタリアではほとんどの日本のアニメを見ることができます。

日本のものは経費が安くついたので一気に広まったと言うことですが、
もちろん人気がなければ続くはずはなく、

アニメそのもののできのよさと、ストーリーがイタリア人の特に若者の
好みにあったのだと思います。

テレビで見るものはCartoni Animati (カルトーニ・アニマーティ) と
呼ぶのですが、漫画本はまさしく 「MANGA」 と呼ばれています。

んが・・まにアクセントをおくので変な感じです。

なぜ、他の漫画本と同じように呼ばないかというと
オリジナルが日本製であることの証。(もちろん訳して発行しています。)

またほんの見開きがこちらとは逆なのです。
これも日本のものだけに見られる特徴です。

これまでにテレビで見たことのあるアニメ。
(もちろん全てではありません。)

* ドラゴンボール (陽介がかなりはまりました。)
* ラーレンバッジョ
* ドラえもん
* 魔法使いサリー
* アルプスの少女ハイジ
* 犬夜叉
* コナン
* ベルサイユのバラ
* セーラームーン
* 釣りきち三平
* 鉄腕アトム
* 聖戦士
* パワーレンジャー (アニメではありませんが)
* ウルトラマン (同じくアニメではありませんが)

まだまだありますが思い出せません。


でも今日は、イタリア中で特におとなに支持されている漫画、

DIABOLIKをご紹介しましょう。

なんとあの「ルパン3世」と「ゴルゴ13」を混ぜ合わせたような感じです。

Diabolikというのは悪魔的なと言う意味です。

ご覧のようにすごい男前、(好みによると思いますが・・)
 

身寄りはなく、育てられたのが沖の孤島で秘密組織の基地内だったのです。

そこで科学全般・数学・薬学・ナイフの使い方・・いろいろなことを身に着け、

果ては、育ててくれた組織を全滅させてしまいます。

その後は超一流の泥棒が彼の職業です。

なんといっても彼の最大の武器はマスクです。

どんな人にも変身できる極薄のプラスティックマスクをつけ、

最愛のEVAといるとき以外は素顔を見せません。

またこのEVAが飛び切りの美人なのです。

貴族の血を引きながら、自分の母親の敵を討つためにあえてその敵と

結婚するなど、とても気丈な人です。


1962年に初版が出て以来、変わらぬ人気を保っています。

その人気の秘密を私なりに解析してみると、

盗む相手は富豪や犯罪組織、からのみであり、貧しい人は泣かせない。

今やたくさんの富を蓄えた彼は趣味の為に、自分自身への挑戦の為に

盗みを働く。 麻薬が大嫌いで、いくら高価なものでも捨ててしまう。

時にはお金持ちの婦人に近づいたりするのだけれど、

絶対にEVAを裏切るようなことはない。

冷血漢を装っているけれど、子供が飛び出してくれば自分の車を

塀にぶつけてでも守ろうとする。

EVAもまた、ジャガーをDIABOLIKと同じくらい上手に運転して

彼の右腕となって、何度となく牢屋からDIABOLIKを救い出している。

 

冷静で頭の良い人なのだけれど、すごいやきもち焼き。

動物や子供が大好きで、そういうものを虐待する人は許せない。と、まあこういったところでしょうか。

自分たちの邪魔をする人をためらいもなく殺してしまうかと思えば、

義理のある人にはどんなことをしてでも恩を返そうとするところなど、

日本の義侠心と通ずるところがあります。

どうやらイタリア人はヒーローが大好きなようです。

そしてチャンスがあればヒーローになりたがっています。

オリンピックを見ていても、団体競技はそれほどでもありませんが、

個人競技ではたくさんのメダルを獲得しています。

ま、これは学校での教育の仕方、

3000年近い歴史を誇りながらイタリア人となったのがたった100年ほど前のこと。

いろんな要素がほつれ糸のようにからみあっていて、

とても簡単にはいえないことですが、興味深い人達です。

                Keiko

 

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