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イタリアの食事マナー

 

礼儀正しい日本人は、それぞれの国のエチケットも気になるところですね。

特にイタリア料理では、あのながーいスパゲッティが出てきます。

そしてあの長いものを食べるのに音を立ててはいけないというのですから、

心配になるのも当然です。

今日は、そのスパゲッティを音を立てずに食べる方法をご紹介します。

一番大事なことは・・・・・

あせらないことです。

なぁんだとお思いかとおもいますが、われわれ日本人はスパゲッティを

たいてい昼食にいただきます。

そして日本の昼食時間というのは、正午から1時間!と決まっております。

その1時間以内に会社の近くの食堂へ行きスパを注文し、

食べてまた会社まで戻ってくる。

当然そそくさと食べることになり、知らず知らずのうちにすすってしまうわけです。

こちらにいらしたときには、イタリア人のようにゆっくり召し上がってください。

ご自宅で召し上がるときにも落ち着いてゆっくり食べてください。

ここまでが心積もり。

さて、つぎにテクニックですが・・・

まずお皿の隅っこに少し空き地を作ります。

そしてスパゲッティをフォークの先にほんの2,3本引っ掛けます。

このとき、スパをお皿からたかーく持ち上げてかまいません。

他のが絡まっていないかよく見て、その2,3本だけをしっかりフォークに巻き取るのです。

フォークの先をお皿にくっつけるのがコツです。

フォークの先が浮き上がっているとスパはくるくると回るだけで

フォークには巻きつきません。

押し付けない程度にお皿にくっつけて巻き取ってください。

押し付けるといやな音のすることがあるので注意。

そうして巻きつけたスパを大きな口をあけてぱくっ!

こうすればぜんぜん音はしません。

かんでいる間に、また次の一口の準備をする。の繰り返し。

 

また、スプーンを使うのが正統かどうかと言うご質問を受けることも良くあります。

これもどちらでも良いというと語弊があるでしょうか?

イタリアのマナーを一口でいってしまうと楽しむこと!といえそうです。

イタリア人はそばにいる人がリラックスしていないといやがります。

私がいつも家族に叱られるのは、緊張しすぎだということです。

日本の方から見れば今の私は完全にリラックスしているように見えるらしいのですが、

まだまだ、イタリア人には緊張というか気遣いが伝わって重荷に感じるようです。

イタリアでは育ちのいい人は何にもしません。

特に女性はゆったりにこやかにしていて、

男性に「お水ついで頂戴」とか「あれとって」とか言って助けてもらうのが良いようです。

貧乏性の私にはとてもまねできないことです。

少し話がそれてしまいましたね。(いつもこうです)

 

スプーンの話ですが、

昔、イタリアが貧しかった時代パスタを食べるのがやっとでした。

パスタだけでおなかを膨らませていたのです。

つまりお皿にパスタが山盛りになっていて先に説明したように

お皿に隙間を作って巻き取ることができなかったので、

スプーンを左手に持ち、フォークの先に引っ掛けたスパゲッティーを

スプーンのおなかで巻き取って口に運んだのです。

今でもパスタを山盛り食べる人はそうしますし、

ブカティーニという太くて真ん中に小さな穴のあいたパスタを食べるときには

まきとりにくいのでスプーンを使う人が多いです。

 

ずるっとすする音はこちらの人たちには生理的に合わない

とてもいやな音だそうです。

ですから自分なりの工夫をして音を立てないように食べるわけですが、

われわれ外国人がイタリア人のようにできないからといって

叱ったり笑ったりする人はいませんから、あまり気にしなくていいと思います。

でも、慣れればなぁんてことのないことなので、

できればスパを食べるたびに少しずつ練習してみてください。

あせらずに練習すればきっとうまくいきますよ。

                     <Keiko>

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