一人のお年寄りが亡くなりました。
そして、天国に着きました。
そこで天国の門の鍵を預かるサン・ピエトロ(聖ピエトロ)に出会います。
サン・ピエトロが質問をはじめます。
サン・ピエトロ>「どこからきたのか?」
老人>「覚えていません。」
サン・ピエトロはこの老人をイエス様の元へ連れて行き、直接尋問してもらいます。
イエス>「どこからきたのか?」
老人>「まったく覚えておりません。」
イエス<「名前はなんというのか?」
老人>「はじめの文字はGで、後は覚えておりません。」
イエス>「何を生業としていたのか?」
老人>「はいはい、これは覚えております!大工をしておりました。」
イエス>「大工?息子はいたか?」
老人>「はい、あ、いいえ。なんといいましょうか、実の息子ではないんですが・・・
大変いとおしく思っておりました。」
イエス>「お父さん!」
老人>「ピノキオ!」
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お分かりいただけたでしょうか?
理解できたと思う方はここから先を読まないでください。
よくわからなかった方、心配しないでください。
小話を理解するにはその国の歴史や習慣や文化やいろんなことを知っていないと難しいわけで、
いきなり小話を聞いてもわからなくて当たり前ですから。
そこで少し野暮になりますが説明を加えますと、
まず、こちらの人々の考え方として、天国の門にはサン・ピエトロがいて、いくつか質問をし
善良な人とわかると天国に入れてもらえ、そうでないと地獄へ追いやられます。
また、余談ですが、天国と地獄の間に-Purgatorio-(煉獄)というところがあり、お裁きが下りるのを待つところです。
この小話では例外的にすぐにキリスト様のところへ連れて行きます。
さて、キリスト様のお父様、この地で養育なさったお父様の名をご存知ですか?
<Giuseppe> 大工のジュゼッペさんです。
今度はピノキオですが、ピノキオをよく知っていてもイタリアが誕生の地だとは知らない方も多いようです。
このピノキオを作ったのが大工(厳密には指物師)の<Geppetto>。
仕事と名前の頭文字とが一致したので、こういう小話(お互いの思い違い)になったわけです。